型付け済みvs自分で型付け徹底比較
こんにちは。Baseball Growth LabのSAKURAです。高校で甲子園、大学で全国大会を経験し、今はその経験を活かしてグローブの型付け・仕入れ・販売もしています。以前の記事では「型付けにかかる期間の目安」として、自分でやる場合とお店に依頼する場合の違いをお伝えしました。今回はもう一歩踏み込んで、「そもそも型付け済みのグローブを買うべきか、まっさらな状態から自分で型付けするべきか」という、購入前の根本的な悩みについてお伝えしていきます。
グローブの型付けについて、こんな悩みはありませんか?
- 型付け済みのグローブと、自分で型付けするグローブ、どちらを選べばいいか分からない
- 自分で型付けする時間がなく、すぐに試合で使えるグローブが欲しい
- できれば自分の手で育てて、思い入れのある一本にしたい
- 型付け済みグローブを買うと、費用面ではどのくらい差が出るのか知りたい
- 仕上がりのクオリティに差が出るのか、実際のところが気になる
新しいグローブが欲しいんですけど、型付け済みのものを買うか、自分で一から型付けするか迷っています。どっちがいいんでしょうか?
これは本当に「どちらが正解」というものではなく、その人のこだわりや使い方によって向き不向きがあるんです。今日は時間・費用・仕上がりの3つの軸で比較しながら、どんな人にどちらが向いているかをお伝えしていきますね。
自分自身のプレースタイルやこだわりがはっきりしている人、自分の手でグローブを育てていきたい人は「自分で型付け」の方が理想の仕上がりに近づけやすいです。一方、特にこだわりがなく、とりあえず柔らかくして使いたい人や、知識・経験のある人が仕上げたグローブの完成度を求める人は「型付け済み」も十分に選択肢に入ります。時間・費用・仕上がりの3つの軸で、自分に合う方法を見極めていきましょう。
この記事のポイント
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| ①時間で比較 | 自分でやる場合の期間目安と、型付け済みの即戦力性 |
| ②費用で比較 | 道具代・依頼料・型付け済みの価格帯の違い |
| ③仕上がりで比較 | こだわりの反映度と、経験者が仕上げる完成度の違い |
| ④迷ったときの判断フロー | 状況・タイプ別のおすすめの選び方 |
こんな人におすすめ
- ✅ 型付け済みグローブと自分で型付けするグローブ、どちらにするか迷っている人
- ✅ すぐに試合で使えるグローブが欲しい人
- ✅ 型付けの時間・費用感を事前に把握しておきたい人
- ✅ 自分の手でグローブを育てることに憧れがある人
- ✅ 仕上がりのクオリティで後悔したくない人
①時間で比較
自分でグローブを型付けする場合、ある程度使える状態になるまでには、日々のキャッチボールやグラブハンマーでの型付け作業を含めて、数週間から1ヶ月程度かかることが一般的だと以前の記事でもお伝えしました。特に新品のグローブは革が硬く、思い通りのポケットができるまでには時間がかかります。「今すぐ試合で使いたい」「大会が近いのに新しいグローブが必要になった」という状況では、この時間の差が致命的になることもあります。しかも、この期間中は練習や試合の合間を縫って型付け作業の時間を確保する必要があるため、単純なカレンダー上の日数以上に、実際の負担は大きく感じられることが多いです。
一方、型付け済みのグローブであれば、届いたその日からある程度実戦で使える状態になっています。もちろん、自分の手に完全に馴染むまでには多少の慣らしは必要ですが、まっさらな新品を一から仕上げるのに比べれば、実戦投入までの時間は大幅に短縮できます。「時間がない」「今すぐ結果を求められる状況にある」という人にとって、この時間の差はそのまま大きなメリットになります。
実体験:指の骨折で急遽ファーストを守ることになったケース
私自身、指を骨折してしまい、それまで守っていたポジションでは思うようにボールを握れなくなった時期がありました。医師と相談した結果、負担の少ないファーストであれば出場できるという判断になり、大会直前に急遽ファーストとして出場することになったのですが、当時の私は内野手用のグローブしか持っておらず、ファーストミットを一から慌てて用意しなければならない状況に追い込まれました。あのとき、もし新品のファーストミットを一から自分で型付けしていたら、間違いなく試合に間に合っていませんでした。結果的に、ある程度柔らかく仕上がっている状態のミットを用意して乗り切ったのですが、この経験があるからこそ、「時間的な余裕がない状況では、型付け済みという選択肢がどれだけありがたいか」を身をもって理解しています。逆に、時間に余裕があるオフシーズンであれば、じっくり自分の手で育てていく過程そのものが、シーズンへの気持ちを高めてくれる大切な時間にもなります。状況に応じて、時間軸で考える視点を持っておくことをおすすめします。
②費用で比較
自分で型付けする場合、グローブ本体の価格に加えて、型付けオイル・グラブハンマー・ムートンといった道具代がかかります。これらの道具は一度揃えてしまえば繰り返し使えるものなので、長い目で見ればコストパフォーマンスは悪くありません。ただし、道具をゼロから揃える場合は、初期費用として数千円〜1万円程度は見ておく必要があるでしょう。
お店に型付けを依頼する場合は、グローブ本体の価格に加えて、店選びの記事でもお伝えした型付け料金が別途かかります。型付け済みのグローブを購入する場合は、その分の手間賃が価格に含まれた形になるため、単純に「本体価格+型付け料金」を別々に支払う場合と比べて、割安に感じられることもあれば、逆に本体価格自体が高めに設定されていることもあります。どちらが安いかは一概には言えないため、購入を検討している型付け済みグローブの価格と、同等の新品本体価格+型付け費用を比べてみることをおすすめします。
| 選び方 | かかる費用の内訳 |
|---|---|
| 自分で型付け | グローブ本体+型付け道具代(初回のみ、繰り返し使用可) |
| お店に型付けを依頼 | グローブ本体+型付け依頼料金(店舗により異なる) |
| 型付け済みグローブを購入 | 本体価格に型付け済みの手間賃が含まれた総額 |
道具代は初期投資として一度きりで済む一方、これから複数本のグローブを型付けする予定がなければ、道具代だけがかさんでしまい、かえって割高になる場合もあります。逆に、今後何本もグローブを扱う予定がある人(チームの後輩の分まで型付けしてあげたい、将来的に自分でも仕入れ・販売をしてみたいという人など)にとっては、道具を揃えておく価値は十分にあると思います。今後どのくらいの頻度でグローブの型付けに関わる可能性があるかも、判断材料の一つにしてみてください。
③仕上がり・満足度で比較
ここが今回、私が一番お伝えしたいポイントです。自分のプレースタイルがすでに分かっている人、たとえば「浅めのポケットで叩き捕りをしたい」「ウェブの締まり具合はこのくらいがいい」といった具体的なこだわりを持っている人は、自分で型付けをした方が、理想の仕上がりに近づけられる可能性が高いと思います。自分の手で少しずつ形を作っていくプロセス自体を楽しみたい、グローブを自分で育てていきたいというタイプの人にとっても、自分で型付けする方がメリットは大きいはずです。
反対に、まだ自分のこだわりがはっきりしていない人、「とりあえず柔らかくして使えれば十分」という人は、型付け済みのグローブという選択肢が向いています。ここで大事なのは、型付けの知識も経験もない状態で自己流に型付けをしたグローブと、経験があり、どんな仕上がりにしたいかという目標を持ったうえで型付けをする人が仕上げたグローブとでは、使いやすさに大きな差が出るという点です。ポケットの浅い・深い、ウェブの締まり具合、指の入りやすさといった細部のバランスは、経験の差がそのまま仕上がりに表れます。「自分で型付けしてみたけれど、思ったような仕上がりにならなかった」という声も少なくありません。
つまり、知識・経験がない状態で無理に自分で型付けをするよりも、経験を積んだ人が目標を持って仕上げた型付け済みのグローブを選ぶ方が、結果的に満足度の高い一本になることも十分にあり得るということです。「自分でやってみたいけれど、失敗が怖い」という人は、まず型付け済みのグローブで完成された状態の感覚を掴み、自分の中の基準ができてから、次の一本を自分で型付けに挑戦してみる、という順番もおすすめです。
ポジションによっても、こだわりたいポイントは変わってきます。たとえばショートやセカンドであれば、素早い持ち替えのために浅めのポケットとタイトなウェブが好まれる傾向がありますし、サードであれば強い打球にも負けない深めのポケットが好まれることもあります。こうしたポジションごとの傾向を理解した上で型付けができるかどうかも、自分で行う場合と経験者に任せる場合とで差が出やすいポイントです。自分のポジション特有のこだわりがまだ言語化できていない人ほど、経験者が仕上げた型付け済みグローブから「ちょうどいい基準」を学ぶ価値があると思います。
④迷ったときの判断フロー
ここまでの内容を踏まえて、簡単な判断の目安を整理しておきます。「今すぐ試合で使いたい」「自分のこだわりがまだ定まっていない」「型付けの知識に自信がない」のいずれかに当てはまる人は、型付け済みのグローブを選ぶ方が、時間的にも仕上がりの面でも満足度が高くなりやすいと思います。反対に、「自分のプレースタイルに合わせた細かい調整をしたい」「グローブを育てる過程そのものを楽しみたい」「時間に余裕がある」という人は、自分で型付けに挑戦する方が、最終的な愛着も含めて満足度の高い一本に仕上がるはずです。
どちらか一方に決めきれない場合は、まず型付け済みのグローブを一本使ってみて、「自分はここをもう少しこうしたい」という感覚を掴んでから、次の一本で自分の型付けに挑戦する、という段階的なステップを踏むのも良い方法です。型付けの道具や具体的なやり方については、別記事でも詳しく紹介しているので、実際に挑戦する際は参考にしてください。
型付け済みグローブを探している方へ
私自身、型付け・仕入れ・販売の経験の中で感じているのは、こだわりが強い人ほど自分で型付けを楽しみ、逆にプレーに集中したい人・知識に自信がない人ほど型付け済みのグローブを選ぶ傾向があるということです。私が土台の型付けをしたグローブも出品していますので、「まずは経験者が仕上げたグローブの感覚を知りたい」という方は、よければのぞいてみてください。
自分にはまだ明確なこだわりがないので、まずは型付け済みのグローブから始めて、感覚を掴んでみようと思います。
それがいいと思います。型付け済みのグローブで「これくらいの柔らかさが自分に合う」という基準ができてから、次は自分で型付けに挑戦する、という順番でステップアップしていくのもおすすめですよ。
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中古グローブを仕入れて型付けし直した実体験については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
まとめ
- 自分でプレースタイルのこだわりが分かっている人は、自分で型付けした方が理想の仕上がりに近づけやすい
- 自分の手でグローブを育てていきたいタイプも、自分で型付けする方がメリットが大きい
- こだわりが定まっていない人・とりあえず柔らかくして使いたい人は、型付け済みも十分な選択肢
- 知識・経験のある人が目標を持って仕上げたグローブは、自己流の型付けと比べて使いやすさに差が出やすい
- 時間・費用は状況次第で有利不利が変わるため、仕上がりへのこだわりの強さで判断するのが一番の決め手になる
型付け済みグローブと自分で型付けするグローブ、どちらが正解ということはありません。大事なのは、自分がどんなプレーをしたいのか、どこまでこだわりたいのかを、購入前に一度整理してみることです。こだわりが強い人は自分の手で育てる過程も含めて楽しんでほしいですし、そうでない人は、経験のある人が仕上げたグローブという選択肢を遠慮なく検討してみてください。どちらを選んでも、そのグローブと長く向き合っていくことが一番大切です。私自身、これまで数えきれないほどのグローブに触れてきましたが、「正解」は一つではなく、自分の状況とこだわりの強さに合わせて選ぶことこそが、後悔しないグローブ選びの一番の近道だと感じています。
よくある質問
Q. 型付け済みグローブは、自分の手には馴染みにくいのではないですか?
A. 型付け済みグローブも、使い始めてから自分の手に馴染ませていく過程は必要です。ただし、まっさらな新品を一から仕上げるのに比べれば、実戦で使える状態までの時間は大幅に短縮できます。
Q. 自分で型付けに挑戦して失敗した場合、リカバリーはできますか?
A. 失敗の程度によっては、お店に相談することで修正できる場合があります。型付け失敗のリカバリー方法については、別記事で詳しく解説していますので、そちらも参考にしてください。
Q. 型付け済みグローブと自分で型付けする場合、費用はどちらが安いですか?
A. 一概にはどちらが安いとは言えません。道具を揃えて自分で行う場合と、型付け済みグローブの価格、お店に依頼する場合の料金を、それぞれ具体的に比較して検討することをおすすめします。
Q. 初心者はどちらを選ぶべきですか?
A. まだ自分のこだわりが定まっていない初心者の方は、まずは型付け済みのグローブで「完成された状態の感覚」を掴むことをおすすめします。基準ができてから、次のグローブで自分での型付けに挑戦するというステップアップも良い方法です。
Q. 型付け済みグローブを選ぶときに気をつけることはありますか?
A. 誰がどのような目標を持って型付けをしたのか、その仕上がりの傾向が自分の好みと合っているかを確認することが大切です。可能であれば、出品者やお店に、ポケットの深さやウェブの締まり具合について事前に質問してみることをおすすめします。
Q. ポジションによって、型付け済み・自分でやるの向き不向きは変わりますか?
A. ポジションそのものよりも、自分がそのポジションでどんなプレーをしたいかというこだわりの有無が判断基準になります。ただし、ショート・セカンドは浅めのポケット、サードは深めのポケットが好まれる傾向があるなど、ポジションごとの一般的な傾向を知っておくと、型付け済みグローブを選ぶ際の参考になります。
Q. 型付け済みグローブを買った後、自分でさらに調整することはできますか?
A. 可能です。型付け済みのグローブはあくまで土台となる型が仕上がっている状態なので、そこからさらにオイルを足したり、ハンマーで細部を調整したりして、自分好みに近づけていくことができます。ゼロから型付けするよりも、微調整で済む分、負担は少なく済みます。
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