ポジション別・型付けの違い|ショート・セカンド・サードで変えるべきポイント
こんにちは。Baseball Growth LabのSAKURAです。高校野球・大学野球を通じて内野手を専門にプレーし、甲子園出場も経験しました。現在はその経験を活かして、型付け済みグローブの仕入れ・販売にも携わっています。
以前「硬式と軟式で型付けは違うのか」という記事で、ボールの違いによる型付けの考え方をお伝えしました。今回はもう一歩踏み込んで、同じ内野手でもセカンド・ショート・サードとポジションが変われば型付けの考え方も変わるという話をしたいと思います。型付け済みグローブの販売でも、守るポジションを聞いたうえで仕上げ方を微調整することが多く、そのあたりの実務目線も交えてお伝えしていきます。
- ポジションによって型付けの仕方を変えるべきなのか分からない
- 今使っているグローブの型付けが、自分のポジションに合っているか不安
- セカンド・ショート・サードそれぞれの型付けのポイントを具体的に知りたい
- 複数ポジションを兼任している場合、型付けはどう考えればいいのか知りたい
同じ内野手用グローブでも、守るポジションによって型付けの仕方を変えたほうがいいんでしょうか?自分は今セカンドとショートを兼任していて、どっちに合わせればいいのか迷っています
いい質問ですね。実は型付け販売の現場でも、ポジションを聞いたうえで仕上げ方を微調整することが多いんです。それぞれの考え方を詳しくお伝えしますね。
セカンドは浅め・小さめでクイックさを、サードは深めのポケットで強弱どちらの打球にも対応できる仕上げを、ショートはその中間からやや三塁寄りに仕上げるのが基本の考え方です。ポジションごとに求められる打球の質・送球までのスピードが違うため、型付けの段階からその違いを意識しておくと、実戦での使いやすさが大きく変わってきます。
この記事の内容
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| ①セカンドの型付け | 浅め・小さめでクイックさを最優先 |
| ②サードの型付け | 深めのポケットで強弱どちらの打球にも対応 |
| ③ショートの型付け | サード寄りの深さと持ち替えの速さを両立 |
| ④複数ポジションを守る場合の考え方 | 兼任時の型付けの落としどころ |
こんな人におすすめ
- ✅ セカンド・ショート・サードそれぞれの型付けの違いを知りたい人
- ✅ 今のグローブの型付けが自分のポジションに合っているか確認したい人
- ✅ 複数ポジションを兼任していて、型付けの方向性に迷っている人
- ✅ これから型付けを依頼する予定で、ポジションに合わせた仕上げを希望する人
- ✅ 型付け販売の現場での実務的な考え方を知りたい人
①セカンドの型付け|浅め・小さめでクイックさを最優先
セカンドは内野の中でも一塁への距離が最も近く、ゴロを捕ってから送球までの時間を極限まで短くすることが求められるポジションです。そのため型付けの段階から、浅め・小さめのポケットを意識して仕上げるのが基本になります。ポケットを深く作ってしまうと、確かにボールをしっかり収めることはできますが、その分ボールを取り出す動作にワンテンポかかってしまい、セカンド特有のクイックな送球の妨げになってしまいます。
型付け販売の現場でセカンド用として仕上げる場合は、捕球面をあまり寝かせすぎず、指の腹でつまむようにボールを持ち替えられる浅さを残すことを意識しています。グローブ全体のサイズも、内野手用の中では小さめを選ぶ選手が多い印象で、型付けの工程でも「大きく開いて包み込む」よりも「コンパクトに収めてすぐ離す」感覚に近い仕上がりを目指します。二塁ベース付近での併殺プレーでは、捕ってからグラブトスや持ち替えまでの一連の動作がすべてワンテンポの速さに直結するため、型付けの段階でその速さを妨げないようにしておくことが何より大切だと感じています。
②サードの型付け|深めのポケットで強弱どちらの打球にも対応
サードはセカンドとは対照的に、深めのポケットを作り、ウェブ寄りの位置でしっかりボールを収められる仕上げにするのが基本です。三塁は「ホットコーナー」と呼ばれるほど強い打球が集まりやすいポジションで、特に右打者の引っ張った打球は反応する間もなく強烈な勢いで飛んでくることが多くあります。この強い打球を弾かずに確実に収めるためには、ある程度の深さとクッション性を持ったポケットが必要になります。
一方でサードには、強い打球だけでなくバント処理や、勢いの落ちた弱いゴロを素早く処理する場面も多くあります。そのため型付けの際は、深さを作りつつも「強い打球だけに特化した硬い仕上がり」にはしないよう気をつけています。強い打球にも弱い打球にも、どちらにも対応できる懐の深さを持たせることが、サード用の型付けで意識している一番のポイントです。捕球面はセカンドよりもやや余裕を持たせ、多少タイミングがずれた打球でも収められるだけの包容力を残しておくイメージで仕上げています。
③ショートの型付け|サード寄りの深さと持ち替えの速さを両立
ショートの型付けは、セカンドとサードのちょうど中間、と説明されることが多いのですが、私自身の実感としてはやや三塁寄りに考えるのが正確だと思っています。理由は、ショートも右打者の引っ張った強い打球が集まりやすいポジションだからです。三遊間に飛んでくる強い打球を確実に収めるためには、サードと同じようにある程度の深さがあったほうが安心できます。
ただし、ショートには二塁への送球やダブルプレーでの素早い持ち替えも同時に求められます。そこで型付けの工程では、ポケットの奥(深い部分)は強い打球を確実に収めるための場所として、そしてポケットの手前側(浅い部分)は持ち替えを素早く行うための場所として、ひとつのグローブの中で二つの役割を両立させるように仕上げることを意識しています。深いところでしっかり収めつつ、持ち替えを急ぐ場面ではもう一段浅い部分を使ってゴロをさばく、というイメージです。型付け段階でこの「二段構え」の感覚を作っておけると、実戦での引き出しが広がります。
正直なところ、この使い分けの感覚は多くの方が思い描くイメージ通りではないかとも思います。三遊間の強い打球を捕るショート、というポジションのイメージそのものが、型付けの考え方にもそのまま表れている形です。
④複数ポジションを守る場合の型付けの考え方
学生野球では、一人の選手がセカンドとショートを兼任したり、控えとしてサードにも入ったりすることが珍しくありません。この場合、どちらのポジションに型付けを合わせればいいのか悩む方も多いと思います。型付け販売の現場での考え方としては、まず試合で最も出場機会が多いメインポジションを軸に型付けを決めることをおすすめしています。
そのうえで、副ポジションでの対応力を残しておきたい場合は、極端な仕上げ(セカンド用に極端に浅く小さくする、サード用に極端に深くする)を避け、中間的な深さに収めておくという方法も有効です。実際、セカンドとショートの兼任であれば、型付けの方向性はそれほど大きく変える必要はなく、浅め・小さめを基本にしつつポケットの奥にもある程度の収まりを残しておけば、どちらのポジションでも大きな違和感なく守れることが多いです。一方でショートとサードの兼任、あるいはサードとファーストの兼任のように、求められる型付けの方向性が大きく異なる組み合わせの場合は、型付けだけで両立させるのではなく、グラブさばきや構え方といった技術面でカバーする意識も持っておくとよいと思います。
型付け済みグローブを探している方へ
自分のポジションに合わせた型付けを一から依頼するのが難しい場合は、あらかじめポジションを意識して仕上げられた型付け済みグローブを選ぶという方法もあります。
ポジションに合わせて型付けするのって、自分でやるのはかなり難しそうですね…
そうなんです。だからこそ、ポジションごとの型付けを踏まえたグローブを選ぶという方法も心強いと思います。届いてすぐ、自分のポジションに合った状態で練習に入れますよ。
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まとめ
- セカンドは浅め・小さめのポケットで、クイックな送球を優先する
- サードは深めのポケットで、強い打球・弱い打球どちらにも対応できる懐の深さを持たせる
- ショートはサード寄りの深さを持たせつつ、持ち替えの速さも両立させる二段構えの仕上げにする
- 複数ポジションを兼任する場合は、メインポジションを軸に、中間的な型付けで対応する方法もある
ポジションによって型付けの考え方が変わるという話は、意外と知られていないようで、型付け販売の現場でも「そこまで考えて仕上げてもらえるんですね」と驚かれることがよくあります。ですが実際にプレーする立場からすると、この違いはグラブさばきや送球のスムーズさに直結する、決して小さくないポイントです。
今使っているグローブが、自分のポジションに本当に合った型付けになっているか、この機会に一度見直してみてください。合っていないと感じた場合は、無理に今のグローブを使い続けるのではなく、型付けをやり直す・グラブさばきでカバーするなど、自分に合った対処法を探ってもらえたらと思います。
よくある質問
Q. セカンド用の型付けとサード用の型付け、後から変更することはできますか?
A. ある程度であれば、使い込む中でポケットの深さを調整していくことは可能です。ただし極端な変更(浅く小さいものを大きく深くするなど)は難しいため、ポジション変更が決まっている場合は早めに型付けの方向性を見直すことをおすすめします。
Q. ショートはセカンドとサード、どちらの型付けに寄せるべきですか?
A. 私自身はサード寄りの深さをおすすめしています。三遊間に飛んでくる強い打球を確実に収める必要があるためです。ただし持ち替えの速さも必要なため、ポケットの手前側は浅めの感覚を残しておくとよいでしょう。
Q. ポジションによる型付けの違いは、硬式・軟式でも同じ考え方ですか?
A. 基本の考え方(セカンドは浅め小さめ、サードは深め)は共通していますが、軟式はボールが柔らかい分、硬式ほど極端な深さを作らなくても対応しやすい傾向があります。硬式・軟式の違いについては別記事でも詳しく解説しています。
Q. 兼任していてどちらのポジションを優先すべきか分からない場合はどうすればいいですか?
A. 実際の出場機会が多いポジションを軸に考えるのが基本です。出場機会が同程度であれば、中間的な深さで仕上げ、副ポジションはグラブさばきや構え方でカバーする方法をおすすめします。
Q. 型付け済みグローブを購入する場合、ポジションはどうやって伝えればいいですか?
A. メルカリ・Yahoo!フリマでの購入前のやり取りの際に、メインで守っているポジションをお伝えいただければ、その内容を踏まえたご案内が可能です。
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