YouTubeやSNSで守備を学ぶときの見るべきポイント|参考にする際の注意点
こんにちは。Baseball Growth LabのSAKURAです。高校野球・大学野球を通じて内野手を専門にプレーし、甲子園出場も経験しました。以前の記事では、スマホを使って自分自身の守備フォームをチェックする方法について解説しました。今回はその逆で、YouTubeやSNSで他の選手、特にプロ野球選手のプレーを見て学ぶ際に気をつけたい視点についてお伝えします。
今は自宅にいながらプロ野球選手の華やかな守備を何度でも見返せる、とても便利な時代です。ただ、便利であるがゆえに、見るべきポイントを間違えてしまうと、かえって上達の妨げになってしまうこともあります。せっかくの学びの機会を有効に活かすためにも、この記事で紹介する視点をぜひ参考にしてみてください。
動画で守備を学ぶことについて、こんな悩みはありませんか?
- プロ野球選手の動画を見て真似しているのに、なかなか上手くならない
- どの選手のどんなプレーを参考にすればいいのか分からない
- SNSで見た派手なプレーを試してみたいけど、自分に合っているか分からない
- 動画から学ぶこと自体が、本当に上達につながるのか疑問に思う
好きなプロ野球選手の守備を真似しているんですけど、全然上手くいかなくて悩んでいます…。
実はそれ、多くの選手が陥りやすいポイントなんです。今日は動画から学ぶときに注意してほしいことをお伝えしますね。
プロ野球選手のプレーの中には、その選手ならではの身体能力やウェイトトレーニングに裏付けられた、真似することが極めて難しい動きが含まれています。そうした部分をそのまま参考にしてしまうと、実現可能性の低い動きの練習に時間を使ってしまい、基本が疎かになるリスクがあります。まずは基本に忠実であることを優先したうえで、動画を参考にするようにしてください。
この記事のポイント
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| ①動画で学ぶことのメリット | 手軽に何度も繰り返し見返せ、視覚的にイメージをつかみやすい |
| ②プロ野球選手の動画を参考にする際の注意点 | 身体能力に裏付けられた「真似できない部分」を見分ける |
| ③見るべきポイントの絞り方 | 基本に忠実な部分を優先して参考にする |
こんな人におすすめ
- ✅ YouTubeやSNSで守備の動画を見て練習に取り入れたい人
- ✅ プロ野球選手の動画を真似しているけど上達を感じられない人
- ✅ どの選手・どのプレーを参考にすればいいか迷っている人
- ✅ 独学で守備を上達させたい選手・保護者
- ✅ SNSで見た派手なプレーに憧れている選手
①動画で学ぶことのメリット

まず前提として、動画で守備を学ぶこと自体は、とても良い方法です。文字や口頭での説明だけでは伝わりにくい体の動き、タイミング、目線の使い方などを、視覚的に何度も繰り返し確認できるのは、動画ならではの大きなメリットです。特に、身近に直接指導してくれる人がいない環境の選手にとっては、YouTubeやSNSは貴重な学習の場になります。
また、動画は「他の選手のプレーを客観的に見る目」を養うのにも役立ちます。自分のプレーだけを見ていると気づきにくい癖や特徴も、他の選手のプレーと比較することで見えてくることがあります。例えば、送球フォームの一連の流れを繰り返し見ることで、「体重移動のタイミング」や「グラブから投げる手が離れるまでの間」といった、細かい部分にまで意識が向くようになります。この観察力は、自分自身のフォームを見直すときにも役立つ、応用の効く力です。
ただし、便利であるがゆえに、「見て分かった気になる」という落とし穴もあります。動画で見た動きを、実際に自分の体で再現できるかどうかは全く別の話です。動画はあくまで「イメージをつかむための入り口」と捉え、そこから先は実際に体を動かしながら、自分なりに落とし込んでいく作業が欠かせません。
私自身、学生時代はまだ今ほど手軽に動画を見られる環境ではありませんでしたが、テレビ中継や録画したVTRを繰り返し見て、フォームのイメージを頭に叩き込んでいた記憶があります。今の選手たちは、いつでもどこでも好きな選手のプレーを見返せる環境にあるので、これは非常に恵まれていることだと思います。だからこそ、この環境を最大限に活かすためにも、見るべきポイントを押さえておくことが重要になってきます。
②プロ野球選手の動画を参考にする際の注意点
ここが今回の記事で一番伝えたいポイントです。プロ野球選手の中には、基本に忠実な動きをしている選手ももちろんいますし、参考にしたい部分を持っている選手もたくさんいます。ただ、その一方で、その選手ならではの身体の強さや、長年のウェイトトレーニングに裏付けられた俊敏さ・力強さがあってこそ成立している動きも数多くあります。
そうした、他の人には簡単に真似できない部分を持っている選手のことを、私たちはよく「天才」と呼びます。天才的なプレーに憧れる気持ちはとても自然なことですが、そこだけを切り取って参考にしてしまうと、自分にとって実現可能性が極めて低い動きの練習に時間を使ってしまうことになりかねません。結果として、本来もっと優先すべき基本の練習が疎かになってしまう選手も少なくないと感じています。
例えば、独特なタイミングでのステップワークや、常識を超えた強肩からの送球フォームなどは、その選手が積み重ねてきたフィジカルの土台があってこそ実現できているものです。見た目のインパクトに引っ張られて、こうした動きだけを表面的に真似ようとすると、フォームが不安定になったり、怪我のリスクが高まったりすることもあります。
SNSで拡散されるような守備の動画は、特にその傾向が強いと感じています。短い尺の中でインパクトを出すために、あえて難易度の高いプレーや、体を大きく反らせるような派手な動作が切り取られて紹介されることが多いからです。バズっている動画だからといって、それが誰にとっても参考になる「正しいお手本」とは限らないという点は、ぜひ頭に入れておいてください。むしろ、地道な練習風景や基礎練習の動画のほうが、実際の上達には役立つことが多いです。
再生回数や「いいね」の数の多さは、あくまでその動画がどれだけ多くの人の目を引いたかという指標であって、内容の正しさや自分にとっての有用性を保証するものではありません。動画を選ぶ際は、再生回数だけでなく、「基本を丁寧に解説しているか」「自分と同じような悩みを持つ選手向けの内容か」といった視点で選ぶことを意識してみてください。
③見るべきポイントの絞り方
では、動画から何を参考にすればいいのか。私が意識してほしいと思うのは、「派手な部分」ではなく「基本に忠実な部分」を見るということです。プロ野球選手のプレーも、その根っこには必ず、捕球の基本姿勢、正しいステップの踏み方、相手の取りやすい位置への送球といった、地味だけれど確実な基本が存在しています。まずはそこに注目してみてください。
基本に忠実な部分がしっかり身についている選手であれば、そこから徐々に、自分のレベルや体格に合った応用的な動きへと発展させていくことができます。逆に、基本が疎かなまま応用だけを取り入れようとすると、土台のない家を建てるようなもので、いずれどこかで無理が出てきてしまいます。
動画を見るときの具体的なチェックポイントとしては、次のような視点を持つことをおすすめします。
- 捕球前の構えの姿勢(重心の低さ、目線の高さ)は基本に沿っているか
- 捕球からステップ、送球までの一連の流れに無駄な動きがないか
- その選手ならではの筋力・柔軟性に頼った動きではないか
- 自分と同じくらいの年代・体格の選手が真似できる範囲の動きか
こうした視点を持ちながら動画を見ることで、単に「かっこいい」で終わらせず、実際の練習に活かせる学びを得やすくなります。ゴロを捕る前の構えなど、まず身につけるべき基本については、こちらの記事で詳しく解説しています。
また、動画を見て気になる動きがあったら、それを実際に自分のフォームと比較してみることも効果的です。スマホで自分の守備フォームを撮影し、見比べてみることで、「自分に足りない部分」と「自分には合わない・真似すべきでない部分」を切り分けやすくなります。撮影の角度や確認すべきポイントについては、こちらの記事を参考にしてください。
体格差を考慮することも忘れないでください。プロ野球選手は、当然ながら大人の体格と長年のトレーニングを経た筋力を持っています。成長期の選手が、体格の大きく異なる大人の動きをそのまま完コピしようとすると、体に過度な負担がかかってしまうこともあります。自分と近い体格・年代の選手のプレーもあわせて参考にすることで、より現実的な目標設定ができるようになります。
特に成長期の選手は、骨や関節がまだ発達段階にあります。大人の選手が繰り返している強い負荷のかかる動きを、体ができあがっていない段階で無理に真似してしまうと、思わぬ怪我につながるリスクもあります。動画を参考にする際は、「この選手は今の自分と同じくらいの年代・体格か」を一度立ち止まって考える習慣をつけてみてください。高校生であれば同世代の高校球児、中学生であれば同世代の中学生のプレーを探して見るのも一つの方法です。
私自身、大学まで野球を続けてきた中で、数え切れないほどの選手のプレー映像を見てきましたが、本当に力になったのは派手なファインプレーの映像よりも、基本に忠実な選手の何気ない一つひとつのプレーでした。地味に見える部分にこそ、実は一番参考にすべきヒントが詰まっていることが多いです。
もう一つ意識してほしいのが、動画を見る「量」よりも「見方の質」です。だらだらと長時間動画を眺め続けるよりも、一つのプレーを何度もスロー再生で確認し、自分のフォームと比べながら気づいたことをメモしていくほうが、はるかに効率よく学びを得られます。動画視聴も、漫然と見るのではなく、目的を持って取り組む姿勢が大切です。
グローブ選びの参考にも動画は使える
動画は守備フォームだけでなく、グローブの使い方や捕球面の使い方を知る手がかりにもなります。ただし、こちらもプロが使用しているグローブをそのまま真似すれば良いというわけではなく、自分の手のサイズやポジションに合った選び方が大切です。内野手用グローブの選び方の基本については、こちらの記事にまとめています。
派手なプレーばかりに目がいっていました。まずは基本に忠実な部分を見るようにしてみます。
その視点があれば、動画から得られる学びの質がぐっと上がるはずです。焦らず、基本を大切にしながら参考にしてみてください。
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まとめ
- 動画は視覚的に学べる便利なツールだが、「見て分かった気になる」だけで終わらせない
- プロ野球選手の中には身体能力に裏付けられた真似できない動きがあることを理解する
- 派手な部分ではなく、基本に忠実な部分を優先して参考にする
- 自分のフォームと比較しながら、体格差も考慮して取り入れる動きを選ぶ
YouTubeやSNSは、正しく使えば守備上達の心強い味方になります。ただし、目に飛び込んでくる派手なプレーに引っ張られすぎず、その裏にある基本を見抜く視点を持つことが大切です。この記事で紹介した視点を意識しながら、ぜひ動画を上達のための良い教材として活用してみてください。
基本があってこそ、発展的なプレーが生きてきます。焦らず、地道な基本の積み重ねを大切にしながら、動画から得たヒントを少しずつ自分のプレーに取り入れていってもらえたらと思います。
今は多くの情報に簡単にアクセスできる時代だからこそ、その情報とどう向き合うかという「情報の取捨選択力」が、これまで以上に求められていると感じています。目に入ったものすべてを鵜呑みにせず、「これは自分に合っているか」「基本から外れていないか」を一度自分の頭で考える習慣を、ぜひ身につけていってください。
よくある質問
Q. どんな選手の動画を参考にすればいいですか?
A. 特定の選手に限定する必要はありませんが、まずは基本に忠実なプレーをしている選手を探してみてください。派手さよりも、捕球姿勢や送球フォームの正確さに注目すると、参考にしやすい映像が見つかります。
Q. スロー再生機能を使うのは効果的ですか?
A. 効果的です。実際のスピードでは見えにくい細かい動きも、スロー再生であれば確認しやすくなります。基本の動作を確認する際にはぜひ活用してみてください。
Q. 動画で見た動きをすぐに実戦で試しても大丈夫ですか?
A. まずは練習の中で試してみることをおすすめします。実戦でいきなり試すと、慣れない動きでかえってミスにつながることがあるため、段階を踏んで取り入れていってください。
Q. 同世代の選手の動画とプロ野球選手の動画、どちらを見るべきですか?
A. どちらも参考になりますが、体格や技術レベルが近い同世代の選手のプレーのほうが、より現実的な目標として取り入れやすいことが多いです。プロ野球選手の動画は、基本の確認や将来的な理想像として活用するのがおすすめです。
Q. 動画で学んだ内容を忘れてしまいます。定着させるコツはありますか?
A. 見た直後に実際に体を動かしてみることが一番の近道です。加えて、気づいたポイントを簡単にメモに残しておくと、後から練習で振り返るときの手がかりになり、記憶にも定着しやすくなります。
Q. 指導者として動画を選手に見せる際に気をつけることはありますか?
A. 選手が「これは自分には真似できない」と感じてしまわないよう、見せる映像の意図(基本を確認するためなのか、将来のイメージを持たせるためなのか)を事前に伝えておくと、より効果的な学習につながります。少年野球の指導での声かけの工夫については、こちらの記事も参考にしてください。
Q. 海外の選手の動画も参考にしていいですか?
A. 参考にすること自体は問題ありません。ただし、使用しているグローブや育成環境、ルールの違いなどもあるため、基本の考え方を学ぶ材料としつつ、日本の野球環境に合わせて取り入れる意識を持つとよいでしょう。
Q. 動画で学んだことを試合ですぐ結果に結びつけるにはどうすればいいですか?
A. すぐに結果を求めすぎないことが大切です。動画で得た気づきを練習で繰り返し試し、体に馴染ませてから試合で発揮するという段階を踏むことで、着実に自分のプレーへ落とし込むことができます。
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