こんにちは。Baseball Growth LabのSAKURAです。高校野球・大学野球を通じて内野手を専門にプレーし、甲子園出場も経験しました。現在はその経験を活かして、型付け済みグローブの仕入れ・販売にも携わっています。

私自身、高校で自分たちの代のチームになってすぐの時期、プレッシャーから守備のバウンドが全く合わなくなってしまった時期がありました。今まで普通にできていたはずのゴロ捕球が、なぜかことごとくうまくいかない。原因もはっきりしないまま焦りだけが募っていく、いわゆる「伸び悩み」の状態です。周りからは「なんでできないんだろう」という目で見られているように感じ、余計に気持ちが焦ってしまう悪循環に陥っていました。今回は、そこから抜け出すために当時見直していた3つの視点についてお話しします。1プレーごとのミスからの切り替え方については以下の記事で紹介していますが、今回はもっと長い期間、数週間〜数ヶ月単位で続く伸び悩みからの抜け出し方に絞ってお伝えします。

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  • 練習しているのに、守備が上達している実感がない
  • 前はできていたはずのプレーが、急にできなくなってしまった
  • 何を変えればいいのか分からず、焦りばかりが募っている
  • このスランプがいつまで続くのか不安で仕方ない
野球少年

最近、何をやってもうまくいかなくて…前はできていたはずのプレーなのに、どうすればいいか分からないんです。

SAKURA

実は私も、高校で新チームになった直後に同じような時期を経験しました。今日はそのとき見直していた3つの視点をお話ししますね。

結論から言うと、伸び悩みから抜け出すには「打球への恐怖心をなくすこと」「整った環境で数をこなして感覚を取り戻すこと」「時間がかかることを前提に、地道に取り組むこと」の3つの視点が重要です。焦って結果を急ぐほど、遠回りになりやすいので注意してください。

この記事のポイント

見出し内容
①打球への恐怖心をなくすことから始める技術修正の前に、まず取り除くべき恐怖心について
②整った環境で数をこなし、感覚を取り戻すイレギュラーの少ない環境での反復練習の重要性
③時間がかかることを前提に、地道に取り組む焦らず向き合うための心構えと、練習と試合のギャップ

こんな人におすすめ

  • ✅ 守備が数週間〜数ヶ月単位で伸び悩んでいる選手
  • ✅ プレッシャーがかかる時期に急に打球への対応が崩れた選手
  • ✅ 何をどう直せばいいのか分からず焦っている選手
  • ✅ スランプがいつまで続くのか不安な選手・保護者
  • ✅ 長期的な視点で守備を立て直したい選手

ここからは、上の表で挙げた3つの視点を、私自身の実体験を交えながら詳しく解説していきます。

①打球への恐怖心をなくすことから始める

内野手がゴロを捕球する練習の様子

私が高校で新チームになった直後、それまで当たり前にできていたはずのバウンドの合わせ方が、まったくできなくなってしまった時期がありました。原因はプレッシャーだったと思います。「エラーしたらどうしよう」という不安が先に立ち、打球への入り方から崩れてしまっていました。

バウンドが合わずに打球を弾いたり、体に当ててしまったりすると、痛い思いをするだけでなく、次第に打球そのものに対する恐怖心が生まれてしまいます。この恐怖心を抱えたまま技術的な修正だけを重ねても、なかなかうまくいきません。むしろ「フォームを直そう」「もっと足を使おう」と技術的なことばかり意識すればするほど、体は無意識に打球から逃げようとしてしまい、余計にぎこちない動きになってしまうこともあります。まずはその恐怖心をなくすことから始めるしかないと、当時の自分は感じていました。

厄介なのは、この恐怖心が「気の持ちようで何とかなるもの」ではないという点です。頭では「大丈夫」と分かっていても、体は正直に反応してしまいます。だからこそ、精神論で乗り切ろうとするのではなく、体に「これなら安全に捕れる」という成功体験を一つずつ積み重ねていくことが遠回りに見えて一番の近道になります。

恐怖心が出ているサイン

自分では気づきにくいものですが、恐怖心が出ているときには体の動きに共通したサインが出やすくなります。当時の自分を振り返ると、次のような傾向がありました。

  • 打球への一歩目が、以前より明らかに遅れる
  • グラブを差し出す位置が体から離れ、腕だけで捕ろうとしてしまう
  • 捕球の瞬間に、顔や体が打球から逃げるように反ってしまう
  • 捕った後の送球まで、やたらと慎重になってしまう

こうしたサインに心当たりがある場合、技術的なアドバイスをいくら聞いても改善しにくいことがあります。まずは恐怖心そのものに向き合う必要があるというサインだと捉えてみてください。フォームの細部を直そうとする前に、「今の自分は打球を怖がっているかもしれない」と一度立ち止まって認めることが、遠回りに見えて実は一番の近道になります。

私が実際に取り組んだのは、跳ねやすいボールを使って、弱い打球でバウンドを合わせる練習に立ち返ることでした。強い打球やイレギュラーを警戒する必要のない、優しい打球から丁寧に向き合い直すことで、少しずつ「ちゃんと合わせられる」という感覚を取り戻していきました。最初は物足りなく感じるくらい簡単な打球から始めて構いません。むしろ、簡単すぎるかもしれないと思うレベルからのスタートで十分です。柔らかいボールを使ったハンドリング練習の具体的なやり方は、以下の記事でも紹介しています。

柔らかいハンドリングを身につけるグラブさばきの練習法|片手ノック・テニスボールノックのすすめ こんにちは。Baseball Growth LabのSAKURAです。高校時代は内野手として甲子園に出場し、大学でもショートを守ってき...

②整った環境で数をこなし、感覚を取り戻す

恐怖心が少しずつ和らいできたら、次はイレギュラーが起きにくい、整ったグラウンドで実際にノックを打ってもらい、数をこなしていくことが大切です。荒れたグラウンドや不安定な状態で無理に練習を再開すると、せっかく和らいだ恐怖心がまたぶり返してしまいかねません。まずは打球が素直に弾んでくれる環境で、成功体験を積み重ねることを優先してください。

「数をこなす」というと単純な反復練習に聞こえるかもしれませんが、この段階での反復には明確な意味があります。1本1本の成功体験が、崩れてしまった自信を少しずつ積み直していく作業になっているのです。10本捕れたら20本、20本捕れたら50本というように、こなせた本数そのものを自分の中の目に見える成果として捉えると、モチベーションを保ちやすくなります。

この段階で意識してほしいのは、質より量です。難しい打球を少しだけ練習するより、捕りやすい打球を数多くこなして、体に「捕れている」という感覚を思い出させることのほうが効果的です。上達を焦って難易度の高い打球にすぐ挑戦したくなる気持ちも分かりますが、まずは基礎的な打球を確実に処理できる状態を取り戻すことを優先しましょう。

段階練習環境・打球目的
初期柔らかいボール、弱い正面の打球打球への恐怖心を取り除く
中期整ったグラウンド、通常のボールでの正面ノック成功体験を数多く積んで感覚を戻す
後期左右への打球、実戦に近いスピードのノック戻した感覚を実戦レベルに近づける

大切なのは、この段階を自己判断で飛ばさないことです。初期段階を早く終わらせたい気持ちは分かりますが、成功体験が十分に積み上がる前に難易度を上げてしまうと、せっかく和らいだ恐怖心がまたぶり返しかねません。指導者やチームメイトにも今の状態を共有し、無理のないペースでレベルを上げていく判断をしてもらうと安心です。

環境を整えるという意味では、ノックを打ってくれる相手選びも重要です。伸び悩んでいる時期は、コントロールが安定していて、打球の強さを加減してくれる信頼できる相手にノックを頼むのがおすすめです。誰でもいいわけではなく、今の自分の状態を理解したうえで付き合ってくれる相手を選ぶことで、練習の質そのものが変わってきます。指導者やチームメイトに、今どの段階の練習をしたいのかを具体的に伝えておくと、協力してもらいやすくなります。

③時間がかかることを前提に、地道に取り組む

最後に、そして私が一番伝えたいのがこの視点です。長い時間をかけてずれてしまった感覚は、同じように長い時間をかけて地道に取り戻すしかありません。焦ってすぐに結果を求めても、逆に空回りしてしまうことのほうが多いと思います。すぐに感覚を取り戻せたら、それはラッキーくらいに考えておくのがちょうどいいです。

さらに厄介なのが、練習でできるようになったことと、試合でできるようになることの間には、また別の時間差があるということです。練習で安定して捕れるようになっても、緊張感のある試合の打球に対して同じようにできるようになるには、もっと時間がかかります。この段差を知らずに「練習ではできるのに、試合ではまたダメだった」と落ち込んでしまう選手は少なくありません。

私自身、練習では以前の感覚を取り戻せてきたと感じていても、いざ試合になると同じようにできず、もどかしい思いをした時期がありました。ですが、そこで「また振り出しに戻ってしまった」と落ち込む必要はありません。練習でできるようになったこと自体は、確実に積み上がっている実力です。試合でも発揮できるようになるまでのタイムラグがあるだけだと捉えて、焦らず場数を重ねていくしかないのだと、当時の自分に言い聞かせていました。

試合の中で少しずつ慣れていくためには、いきなり大きな大会で結果を求めるのではなく、練習試合や紅白戦のような比較的プレッシャーの軽い場から慣らしていくのも一つの方法です。小さな成功体験を試合の中でも積み重ねていくことで、練習と試合の間にあるギャップは少しずつ埋まっていきます。

だからこそ、①②のステップを踏みながら、「時間がかかって当たり前」という前提を持って、地道に乗り越えていくしかないと私は思っています。「早く元に戻らなければ」という焦りそのものが、実は一番の遠回りになっているケースを、私はたくさん見てきました。伸び悩みからの回復に期限を設けず、今日できることを一つずつ積み重ねる意識に切り替えるだけで、気持ちがぐっと楽になります。緊張する場面でのメンタルの整え方については、以下の記事もあわせて参考にしてください。

緊張しないメンタルの整え方|甲子園経験者のルーティン大事な場面でガチガチになってしまう内野手に向けて、甲子園出場経験者が試合前に実践していたメンタルの整え方・ルーティンを具体的に解説します。...

型付け済みグローブを探している方へ

伸び悩んでいる時期は、道具のせいではないかと不安になることもあるかもしれませんが、まずは①②③の視点で技術面・メンタル面から向き合うことをおすすめします。そのうえで、長く使い込んだグローブの型が合わなくなってきたと感じる場合は、グローブの見直しも一つの選択肢です。私が仕入れ・型付けをしているグローブも、内野手が安心して打球に向き合えるよう、丁寧に仕上げています。気になる方はぜひチェックしてみてください。

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まとめ

  • 技術的な修正の前に、まず打球への恐怖心をなくすことから始める
  • イレギュラーの少ない整った環境で数をこなし、成功体験を積み重ねる
  • 感覚が戻るまでには時間がかかることを前提に、焦らず地道に取り組む
  • 練習でできることと試合でできることの間にも時間差があると理解しておく

守備の伸び悩みは、原因がはっきりしないまま焦りだけが募ってしまうものです。ですが、恐怖心をなくすこと、整った環境で数をこなすこと、そして時間がかかることを受け入れることの3つを意識すれば、少しずつでも必ず抜け出せます。私自身、当時は「いつ元に戻るのか」と不安でしたが、地道に取り組んでいくうちに、いつの間にか元の感覚以上のものを取り戻せていました。振り返ってみると、あの伸び悩みの時期があったからこそ、自分の守備を基礎から見つめ直すきっかけになったとも感じています。うまくいかない時期は誰にでも訪れますが、それをどう乗り越えるかで、その後の成長のスピードは大きく変わってきます。焦らず、今日から少しずつ向き合ってみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. スランプはどれくらいの期間で抜け出せますか?

A. 個人差が大きく、明確な目安はありません。ただ、短期間で解決しようと焦るほど長引きやすいと感じています。「時間がかかって当たり前」という前提で取り組むほうが、結果的に早く抜け出せることが多いです。私自身も、抜け出せた時期を正確には覚えていないくらい、気づいたら元の感覚以上のものを取り戻していました。

Q. 恐怖心をなくすには、具体的にどんな打球から始めればいいですか?

A. 正面のゆるい打球や、跳ねやすい柔らかいボールを使った打球から始めるのがおすすめです。イレギュラーする心配がなく、確実に捕れる打球で成功体験を積むことを優先してください。

Q. 練習ではできるのに、試合になるとまたできなくなります。なぜですか?

A. 練習と試合では緊張感がまったく違うため、練習でできるようになったことがそのまま試合で発揮できるとは限りません。これは珍しいことではなく、練習での成功を積み重ねながら、試合の中でも少しずつ慣れていくしかない部分です。

Q. 指導者やチームメイトに相談したほうがいいですか?

A. 一人で抱え込まず、相談することをおすすめします。特に恐怖心を抱えている状態は自分では気づきにくいこともあるので、周りに今の状態を伝えておくと、練習メニューを調整してもらえることもあります。一人で抱え込んで焦りが強くなるほど、恐怖心も強まりやすい傾向があるので、周囲を頼ることは決して弱さではありません。

Q. スランプのときにやってはいけないことはありますか?

A. 難しい打球や実戦形式のノックにいきなり挑戦して、失敗を重ねてしまうことです。恐怖心が強くなっているときほど、簡単な打球で成功体験を積むことを優先し、段階を飛ばさないようにしてください。

Q. 新チームになったタイミングで伸び悩む選手は多いですか?

A. 少なくないと思います。レギュラーやポジションを新たに意識する時期は、それまでなかったプレッシャーがかかりやすく、フォームや打球への入り方が崩れやすいタイミングです。私自身もまさにそのタイミングで伸び悩みを経験しました。周りの選手も似たような状況を経験していることが多いので、決して自分だけが特別に不調というわけではありません。この時期特有のものだと理解しておくだけでも、気持ちが少し楽になると思います。

Q. 伸び悩みの原因が分からないまま練習を続けても大丈夫ですか?

A. 原因を完全に特定できなくても、①〜③の視点に沿って取り組んでいけば、徐々に改善していくことは十分にあります。原因探しに時間をかけすぎるより、恐怖心を取り除く練習から着実に始めることを優先してよいと思います。原因は後から振り返って初めて分かることも多く、渦中にいるときに無理に突き止めようとしなくても大丈夫です。

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