エラーを引きずらない切り替え方|ミス後の3分間
こんにちは。Baseball Growth LabのSAKURAです。高校野球・大学野球を通じて内野手を専門にプレーし、甲子園出場も経験しました。現在はその経験を活かして、型付け済みグローブの仕入れ・販売にも携わっています。
内野手というポジションは、どれだけ練習を積んでも、エラーと無縁ではいられません。問題は、エラーをすること自体よりも、そのエラーを引きずってしまい、次のプレー、さらにその次のプレーにまで悪影響が連鎖してしまうことです。私自身、高校・大学と、エラーで悔しい思いをしたことは数えきれません。今回は、そんな「ミスをした後の3分間」に何を考え、どう次のプレーに向かっていたか、実体験を交えて紹介します。
どれだけ技術を磨いても、どれだけ打球を正確に予測できるようになっても、エラーそのものをゼロにすることはできません。だからこそ、ミスをした後にどう気持ちを立て直すかというメンタル面の技術は、捕球フォームや送球練習と同じくらい、意識的に磨いておくべきものだと私は考えています。今回紹介する内容は特別なことではなく、誰でも今日から実践できるシンプルな考え方ばかりです。ぜひ、次にミスをしてしまった場面で思い出してもらえたらと思います。
- エラーをした後、次の打球にも動揺してしまう
- 一つのミスがきっかけで、連鎖的にミスをしてしまうことがある
- 試合中にどう気持ちを切り替えればいいのか分からない
- ミスをした選手にどう声をかければいいのか、保護者・指導者として悩んでいる
- 反省とミスを引きずることの違いが分からない
この前の試合で送球を逸らしてしまってから、次の打球が来るのがずっと怖くて、結局その後も普段しないようなミスをしてしまいました…
その気持ち、私にも痛いほど分かります。私も高校・大学とたくさんのミスをしてきました。今日は、ミスした直後の3分間にやっていた具体的な切り替え方を、実体験と一緒にお話ししますね。
エラーを引きずらないために大切なのは、ミスをした直後に誰よりも声を出すことと、「反省は試合後にする」と決めておくことです。試合中にどれだけ引きずっても、その場では何も解決しません。切り替えるための行動をあらかじめ決めておくことが、次のプレーへの集中につながります。
この記事のポイント
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| ①誰よりも声を出す | ミス直後に自分から声を出し、体と気持ちを次のプレーに向ける |
| ②「仕方ない」と思い込むための練習量 | 普段の努力が、試合中に自分を許せる根拠になる |
| ③反省は試合後に、というルール | 試合中に振り返らない仕組みを作り、今できる最大限に集中する |
こんな人におすすめ
- ✅ エラーの後、次の打球にも動揺してしまう人
- ✅ 一つのミスから連鎖的にミスをしてしまうことがある人
- ✅ 試合中の気持ちの切り替え方を身につけたい人
- ✅ ミスをした後に何をすればいいか具体的に知りたい人
- ✅ 子どもや後輩へのミス後の声のかけ方に悩んでいる保護者・指導者
①誰よりも声を出す
エラーをした直後、私が一番大事にしていたのは「誰よりも自分から声を出す」ということでした。ミスをすると、どうしても一瞬うつむいてしまったり、声が小さくなってしまったりしがちです。ですが、そこであえて誰よりも大きな声を出す。「切り替えていこう」「次だ次!」というような、ありきたりな言葉で構いません。大事なのは言葉の内容よりも、声を出すという行動そのものです。
声を出すことで、まず自分の呼吸が変わります。ミスをした直後は呼吸が浅く速くなりがちですが、大きな声を出す動作は自然と深い呼吸を伴うため、体の緊張がほぐれやすくなります。そしてもう一つ大事なのが、声を出すことでチームメイトに「切り替えている」という姿勢が伝わることです。もし自分がミスをして下を向いたままだと、周りも心配して声をかけづらくなったり、チーム全体の空気が重くなったりしてしまいます。逆に自分から声を出せば、「あいつは切り替えている」と周りも安心して、いつも通りに声をかけ返してくれます。この掛け合いが、チーム全体の空気を守るうえでも大きな意味を持っています。
正直に言うと、ミスをした直後に大きな声を出すのは、最初は簡単なことではありません。恥ずかしさや悔しさが先に立って、声を出す余裕がないと感じることもあると思います。ですが、これは技術というより習慣の問題です。普段の練習でミスをしたときから、同じように声を出す習慣をつけておくと、試合の大事な場面でも自然と体が動くようになります。練習の段階から「ミスをしたら声を出す」をワンセットの動作にしておくことを、ぜひ意識してみてください。
声を出すことに加えて、私は簡単な動作もセットにしていました。グラブで軽く自分の胸のあたりを叩く、帽子のつばに軽く触れる、深呼吸を一つ挟む、といった、自分なりの小さな儀式です。声で気持ちを切り替え、動作でその切り替えを体に定着させる。この2つを組み合わせることで、頭で「切り替えよう」と考えるよりも早く、体のほうが先に次のプレーへの準備を始めてくれる感覚がありました。声も動作も、内容自体はなんでも構いません。大事なのは、自分の中で「これをやったら切り替え完了」という決まった手順を持っておくことです。
この声出しと動作のセットは、実は自分一人だけのためのものではありません。周りのチームメイトも、ミスをした選手がどう振る舞うかをよく見ています。声を出して切り替えている姿を見せることは、「自分は大丈夫だ」というメッセージをチームに送る役割も果たしています。逆に、ミスの後にずっとうつむいたままでいると、周りも「大丈夫かな」と不安になり、結果的にチーム全体の集中力にも影響してしまいます。自分のための切り替えが、そのままチームのための行動にもなっている。この視点を持っておくと、声を出すことへのハードルも少し下がるのではないかと思います。
特に、内野手同士は守備位置が近く、声の掛け合いがそのまま次のプレーの連携にも直結します。ミス後の声出しをきっかけに、隣のポジションの選手からも「大丈夫、次いこう」という声が返ってくれば、チーム全体の空気が一気に切り替わることもあります。ミス後の一言をどう活かすかという視点は、内野手同士の連携の話とも重なる部分が大きいので、興味があればあわせて読んでみてください。
②「仕方ない」と思い込むための練習量
声を出すことと合わせて大事にしていたのが、「まあ、仕方ないよね」と思い込むことです。ただし、これは何の根拠もなく開き直るということではありません。この「仕方ない」と心から思い込むためには、普段の練習で人一倍やってきたという事実、他の選手からも「あいつはそれだけ練習している」と認められるほど努力しているという事実が、その土台として必要だと思っています。
普段からそうした練習を積んでいれば、たとえミスをしても、周りも「切り替えていこう」「次ミスしてもナイスチャレンジだよ」というふうに、試合中に声をかけてくれるはずです。これは単なる励ましの言葉ではなく、「これだけ練習しているお前が言うことだから、次は大丈夫」というチームからの信頼の表れでもあります。逆に、日頃の練習に手を抜いていると、ミスをしたときに自分自身も「仕方ない」と思い込みづらくなりますし、周りからの励ましも表面的なものに聞こえてしまいがちです。「仕方ない」と思い込む力は、練習で積み上げた事実の裏付けがあって初めて機能するものだと考えています。
ここでいう「人一倍の練習」は、単に長時間グラウンドにいることを指しているわけではありません。人よりも早くグラウンドに来て準備をする、周りが休んでいる時間にもう一本ノックを受ける、自主練習用具を使って自宅でも打球への反応を磨いておく、といった、日々の小さな積み重ねのことです。こうした積み重ねは、試合結果にすぐには表れませんが、チームメイトはその努力を必ずどこかで見ています。だからこそ、いざミスをしたときに「あいつはこれだけやっているんだから、次は大丈夫」という信頼につながっていくのだと思います。自宅や少人数でもできる自主練習の具体的な方法は、以前の記事でも紹介しているので、日々の積み重ねを増やしたい方はあわせて参考にしてみてください。
この考え方は、大事な場面で緊張しないためのメンタルの整え方とも根っこの部分でつながっています。「これだけ練習してきたんだから大丈夫」という言葉は、緊張をほぐすときにも、ミスを引きずらないようにするときにも、同じように効いてくる考え方です。試合前・試合中を通して、自分の練習量を根拠にした前向きな言葉を持っておくことの効果については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
③反省は試合後に、というルール
試合中にミスをしたことについて深く考え込んでも、その場で状況が良くなることはありません。試合中にできることは、次のプレーに全力を尽くすことだけです。だからこそ私は、「反省は試合が終わってからでいい」というルールを自分の中に持つようにしていました。試合中に頭の中で反省を始めてしまうと、思考のリソースが次のプレーへの準備からそがれてしまいます。ミスの原因分析や技術的な反省は、試合が終わった後、落ち着いた状態でじっくり行えばいいことで、試合中はそのための時間ではないと割り切ることが大切です。
ここで少し、私自身の経験をお話しさせてください。高校時代、私は守備固めとして試合に出場することが多く、その中でエラーをして交代させられた経験も何度もあります。悔しい思いをたくさんしましたし、自分の存在意義を疑いたくなるような時期もありました。大学に進んでからは、2学年先輩たちの試合に出場させてもらう機会があり、全国大会という舞台でエラーをしたこともあります。今振り返っても、決して簡単な道のりではありませんでした。
それでも、自分が折れそうになったとき、落ち込んでいるときに支えてくれたのは、いつも一緒にプレーしてきた仲間の存在でした。ミスをした自分に対して、責めるのではなく、切り替えるための声をかけ続けてくれる仲間がいたからこそ、次のプレーに向き直ることができたのだと思います。だからこそ、皆さんにも伝えたいのは、「自分がその瞬間に出せる最大限の力を出せればいい」ということを、頭の片隅に置いてプレーしてほしいということです。ミスを引きずっていても、試合中にはどうすることもできません。それなら、次の1球、次の1プレーに、今出せる最大限の力を注ぐことだけを考える。これが、私が実体験を通してたどり着いた、一番シンプルな結論です。
大学時代の全国大会でのエラーは、今でもはっきり覚えています。試合の流れを大きく左右する場面でのミスで、一瞬、頭が真っ白になりました。それでも、次の打者を迎える前に、マウンドに集合し、周りの先輩やチームメイトが駆け寄ってきて「大丈夫、切り替えていこう」と声をかけてくれました。その一言で完全に気持ちが晴れたわけではありませんが、「一人で背負い込まなくていいんだ」と思えたことで、次の打球に対して足がすくむことなく向かっていけたのを覚えています。あのとき、もし誰からも声をかけられず一人で抱え込んでいたら、その後のプレーはもっと崩れていたかもしれません。ミスを引きずらないというのは、自分一人の心構えだけでなく、チームで支え合う雰囲気があって初めて実現しやすくなるものだと、この経験を通して強く感じました。
なお、今回紹介したのは、誰にでも起こりうる一般的なエラーを引きずらないための考え方です。もし特定の送球動作そのものに恐怖心が固定化してしまい、体が思うように動かなくなっている場合は、いわゆる送球イップスに近い状態の可能性があり、また別の向き合い方が必要になります。そうした場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。
反省を試合後に回すというルールは、決して「反省をしない」ということではありません。むしろ、試合が終わった後にしっかりと向き合うからこそ、次の練習や次の試合につなげることができます。試合中は切り替えることに全力を注ぎ、試合後は落ち着いて振り返る。このメリハリをつけることが、長くこのポジションを守り続けていくうえでも、とても大切なことだと感じています。
試合後の振り返り方にも少しコツがあります。私は、その日のうちに感情的な状態のまま振り返るのではなく、一晩置いてから振り返るようにしていました。ミスをした直後の感情が残ったままだと、必要以上に自分を責める内容になりがちですが、少し時間を置くことで「あの場面はこう準備しておけばよかった」というように、次に活かせる具体的な視点で振り返りやすくなります。試合中は感情を脇に置いて切り替えに徹し、試合後もすぐにではなく少し落ち着いてから振り返る。このタイミングの取り方も、ぜひ意識してみてください。
高校生・大学生と年代が上がるにつれて、エラー一つが試合の結果に与える重みも大きくなっていきます。だからこそ、若いうちから「ミスをした後にどう切り替えるか」という経験を積み重ねておくことは、技術の上達と同じくらい価値のあることだと私は考えています。今は結果が伴わなくても、切り替え方を身につけておくことは、この先ずっと自分を助けてくれる財産になります。
型付け済みグローブを探している方へ
メンタル面の切り替えと同じくらい、ミスを減らすうえで見落とされがちなのが道具の状態です。グローブが硬く動きにくい状態だと、本来なら防げたはずのミスにつながってしまうこともあります。メンタルの切り替え方と一緒に、道具の面でも不安要素を減らしておくことをおすすめします。
確かに、グローブが硬いままだと、それが原因でミスをしても割り切りづらそうです…
その通りです。私が捕球面までしっかり型付けを済ませたグローブも出品しているので、道具の面での不安要素をあらかじめ減らしておきたい方はチェックしてみてください。
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まとめ
- ミスをした直後は、誰よりも自分から声を出し、体と気持ちを次のプレーに向ける
- 「仕方ない」と思い込むためには、普段の練習量という裏付けが必要
- 反省は試合後に回し、試合中は今出せる最大限の力を出すことだけに集中する
- 折れそうなときに支えてくれるのは、いつも一緒にプレーしている仲間の存在
エラーをゼロにすることは、どんな選手にもできません。大切なのは、ミスをした後にどれだけ早く、そしてどれだけ前向きに切り替えられるかです。今回紹介した声出し・練習量の裏付け・反省を試合後に回すという3つの考え方を、ぜひ次の試合から意識してみてください。
よくある質問
Q. ミスをした選手に周りはどう声をかければいいですか?
A. 「切り替えていこう」「ナイスチャレンジ」といった、シンプルで前向きな言葉が効果的です。ミスの原因を指摘するのは試合後にして、試合中はまず切り替えを後押しする声をかけてあげてください。
Q. 声を出すのが苦手な性格でも効果はありますか?
A. 大きな声が苦手な場合は、まず小さな声からでも構いません。大事なのは声の大きさよりも、自分から行動を起こして気持ちを切り替えるきっかけを作ることです。
Q. 反省を試合後に回すと、忘れてしまいませんか?
A. 試合直後にメモを残しておくと、後で振り返るときに思い出しやすくなります。試合中に深く考え込まないことと、試合後にきちんと振り返ることは両立できます。
Q. ミスが続いて自信を失いそうなときはどうすればいいですか?
A. 一人で抱え込まず、チームメイトや指導者に今の気持ちを話してみることも大切です。私自身、折れそうなときに支えてくれたのは、いつも一緒にプレーしていた仲間の存在でした。
Q. 練習量が「仕方ない」と思い込む根拠になるというのはどういうことですか?
A. 普段から人一倍練習を積んでいれば、たとえミスをしても「今できる準備はしてきた」と自分に言い聞かせやすくなります。この裏付けがあることで、開き直りではなく納得感のある切り替えができるようになります。
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