新人戦・新チームでの「声出し」がチームに与える効果|内野の要としての存在感
こんにちは。Baseball Growth LabのSAKURAです。高校野球・大学野球を通じて内野手を専門にプレーし、甲子園出場も経験しました。現在はその経験を活かして、型付け済みグローブの仕入れ・販売にも携わっています。

新チームが動き出すこの時期、「声を出せ」と指導者から言われても、正直なところ何のためにやっているのか実感が持てない選手も多いのではないでしょうか。私自身、幸いなことに全員が当たり前のように声を出すチームでプレーしてきたので、「声出しのために特別な練習をした」という経験はありません。ですが、そのチームで内野手として長くプレーする中で、声が果たしている役割の大きさを実感する場面が何度もありました。今回は、そうした実体験をもとに、新チームで声出しを意識するときに持っておきたい考え方を紹介します。
- 「声を出せ」と言われるが、何のために出すのか実感が持てない
- 声を出すのが苦手で、試合中についつい黙ってしまう
- 新チームになって、声の掛け合いがまだぎこちない
- 声を出すことで具体的に何が変わるのか知りたい
- 子ども・教え子に声出しの大切さをどう伝えればいいか悩んでいる
監督から「もっと声を出せ」とよく言われるんですけど、正直、声を出すだけで何が変わるのか実感が持てなくて…
その気持ち、よく分かります。私も「声出しの練習をした」という感覚はあまりないんです。でも、内野手として長くプレーする中で、声が果たしている役割の大きさを実感した場面がたくさんありました。今日はその話をしますね。
声出しの本質は、当たり前のことを当たり前にできる、声が通る環境を作ることにあります。集中している選手ほど自分の世界に入り込んでしまいがちだからこそ、ベンチも含めたチーム全体で声をかけ合う文化が、一つひとつの小さな積み重ねとして勝利をたぐり寄せるピースになります。
この記事のポイント
こんな人におすすめ
- ✅ 声を出す意味を実感できていない選手
- ✅ 声を出すのが苦手で試合中に黙ってしまいがちな選手
- ✅ 新チームで声の掛け合いをこれから作っていきたいチーム
- ✅ 内野の要としてチームを引っ張りたいと考えている選手
- ✅ 声出しの大切さを子ども・教え子にどう伝えるか悩む保護者・指導者
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| ①声が通る環境を「当たり前」にする | 集中して自分の世界に入りがちな試合中こそ、声を出す習慣が連携ミスを防ぐ |
| ②ベンチからの声も一つのプレー | 守備位置からだけでなくベンチからの声かけも、勝利に近づくための積み重ねになる |
| ③情報を伝える声かけが差を生む | 相手チームの傾向をバッターが入る前に伝えるなど、細かな声かけが結果につながる |
①声が通る環境を「当たり前」にする
正直に言うと、私自身は「声を出すことで劇的に何かが変わった」という分かりやすい経験は、あまり思い当たりません。それは、私がプレーしてきたチームが、もともと全員が当たり前のように声を出すチームだったからです。声出しのために特別な努力をしたり、決め事を作ったりしたことはありませんでした。ですが、だからこそ気づいたことがあります。それは、試合の中で全員が集中してプレーしている状態というのは、実は声が一番通りにくくなる状況でもあるということです。
全員が集中してボールを一緒に追っている場面では、選手それぞれが自分の世界に入り込んでしまうことがどうしても起こります。普段の練習では当たり前にできている声の掛け合いが、緊張感のある試合の重要な場面ほど、抜け落ちてしまいやすいのです。だからこそ大事なのは、特別な声出しのテクニックを身につけることよりも、いつも当たり前にやっていることを、緊張する場面でも当たり前にできるようにしておくことだと私は考えています。声が通る環境というのは、一度作って終わりではなく、試合のたびに意識して作り直していくものです。
この「自分の世界に入ってしまう」という感覚は、決して集中力が足りていないということではありません。むしろ、真剣に打球に反応しよう、正確に送球しようと集中すればするほど、視野と意識は自然と狭くなっていくものです。声出しは、その集中力の高さを否定するものではなく、狭くなった視野を仲間の声で補い合うための仕組みだと捉えると、声を出す意味がより実感しやすくなるのではないかと思います。
特に内野手同士は守備位置が近く、お見合いやポジションチェンジの場面で声の掛け合いがそのままエラー防止に直結します。技術的な連携としての声かけについては、以前の記事で詳しく紹介しているので、守備位置同士の具体的な声かけ方法を知りたい方はあわせて参考にしてみてください。今回の記事は、その技術的な連携ではなく、もう一歩広い「チームの雰囲気づくり」という視点での声出しの話です。
大学時代、全国大会の舞台に立ったとき、私は普段よりも明らかに声が出にくくなっている自分に気づいたことがあります。観客の声援、独特の緊張感の中で、いつもなら自然に出ている「オーライ」の一言すら、一瞬詰まってしまう感覚がありました。その場面で助けられたのは、周りの先輩やチームメイトが、普段よりもさらに大きな声で場をつないでくれたことでした。誰か一人でも声を出し続けてくれれば、そこに引っ張られる形で他の選手の声も戻ってくる。声が通らなくなりがちな緊張の場面ほど、チーム全体で声を出す習慣の価値を痛感した出来事でした。
この経験から学んだのは、声出しは「得意な人がやればいい」ものではなく、チーム全員が最低限のところまでは担える状態にしておく必要がある、ということです。エースや主力選手だけが声を出すチームは、その選手の調子が悪い日や、緊張で声が出にくい場面で、一気に静かになってしまいます。逆に、控え選手も含めて全員が声を出す習慣を持っているチームは、誰か一人の調子に左右されず、常に一定の活気を保つことができます。
②ベンチからの声も一つのプレー
声出しというと、グラウンドに立っている選手同士の掛け合いをイメージしがちですが、私が特に大事だと感じていたのは、ベンチからの声でした。試合に出ている選手だけでなく、ベンチにいる選手も含めたチーム全員が、言うべきことを言う、声を出すべき場面で声を出す、という状態を作れているかどうかが、チームの一体感に大きく影響します。
グラウンドに立っている選手は、プレーに集中するあまり視野が狭くなりがちです。そこをベンチから見ている選手が「まだ間に合う、落ち着いていこう」「ワンナウトだから確実に一つ」といった声で補ってあげることで、グラウンド上の選手はより落ち着いてプレーに集中できるようになります。ベンチからの声は、直接プレーには関与しませんが、間違いなくチームの結果に影響を与える一つの「プレー」だと私は考えています。控え選手やベンチ入りしている選手にとっても、声を出すことは立派な役割の一つです。
新チームでは、まだこうしたベンチからの声の掛け合いが定着していないことも多いと思います。だからこそ、シートノックなど普段の練習の段階から、プレーする選手だけでなく見ている選手も声を出す習慣をつけておくことが大切です。練習中の意識づけについては、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。
私自身、控え選手としてベンチにいた時期に、この「ベンチからの声」の大切さを強く実感した経験があります。自分が試合に出られない悔しさを抱えながらも、せめてベンチからできることをしようと、アウトカウントの確認やタイミングを見計らった励ましの声を意識的に出すようにしていました。あるとき、その声かけをきっかけに、グラウンドに立っていた先輩から「あの一言で落ち着けた」と言ってもらえたことがあります。自分は試合に出ていなくても、チームの勝利に確かに関わっているのだと実感できた、忘れられない出来事でした。
ベンチからの声かけは、内容そのものよりも「誰かが必ず見てくれている、支えてくれている」という安心感を生む効果も大きいと感じています。グラウンド上の選手は、プレーに集中するあまり孤独を感じやすい瞬間があります。そこにベンチからの一言が届くだけで、一人で戦っているのではないという感覚を取り戻すことができます。新チームでは、まずレギュラー・控えに関係なく、ベンチにいる全員が同じ熱量で声を出すという文化を、早い段階で作っておくことをおすすめします。
③情報を伝える声かけが差を生む
声出しには、気持ちを鼓舞するためのものだけでなく、情報を伝えるためのものもあります。私が特に効果を実感していたのは、事前に研究した相手チームの打球方向の傾向を、バッターが打席に入る前に味方に伝えるという声かけです。「このバッターは引っ張りが多いから、少し三塁側に寄っておこう」といった一言があるだけで、守備位置の準備が数歩分変わってきます。この差は、派手には見えないものの、一つひとつの打球への対応力に確実に表れてきます。
こうした情報共有の声かけは、配球やカウントから打球方向を予測する考え方とセットで機能します。予測の精度を高める知識を持っていても、それをチームメイトに共有できなければ、自分一人が準備できるだけで終わってしまいます。逆に、自分が気づいたことを声にしてチーム全体に共有できれば、その効果は自分だけでなくチーム全体に広がります。打球方向の予測についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
こうした細かな声かけの一つひとつは、それ単体では試合の結果を大きく左右するものではないかもしれません。ですが、「全員が集中している状態でボールを一緒に追う」という野球の特性上、こうした小さなピースの積み重ねこそが、最終的に一つのアウト、一つの得点に直結していくのだと私は考えています。派手な声を張り上げることだけが声出しではなく、必要な情報を必要なタイミングで伝えること、これも立派な声出しの一つの形です。
実際に、事前の情報共有が結果につながった場面を今でもよく覚えています。相手チームのある打者が「際どいコースは引っ張る」という傾向を練習試合で見抜いていたので、その情報を打席に入る前にショートの選手へ伝えました。実際にその打者が三遊間寄りにゴロを打ったとき、事前に半歩守備位置をずらしていたことで、通常なら抜けていたかもしれない打球を確実にアウトにすることができました。この一つのアウトが、そのまま試合の流れを大きく変える場面につながったこともあり、声で共有した情報がプレーの結果を左右することを強く実感した経験です。
もちろん、こうした情報がいつも狙い通りに結果へつながるわけではありません。それでも、何も伝えずに守るのと、伝えたうえで守るのとでは、同じ打球に対する反応のスピードや自信の持ち方が確実に違ってきます。声で共有した情報は、たとえその打席で活きなかったとしても、次の打席、次の試合へと蓄積されていく財産になります。だからこそ、気づいたことはためらわずに声にして伝える習慣を、チーム全体で持っておくことをおすすめします。
型付け済みグローブを探している方へ
声を出し合い、情報を共有し合うチームプレーと同じくらい、一人ひとりの道具の状態を整えておくことも、ミスを減らすうえで大切な準備です。グローブが手に馴染んでいないと、せっかくの声かけで準備ができていても、肝心の捕球でミスをしてしまうこともあります。
確かに、せっかく声で準備できていても、グローブの状態が悪くて捕り損ねたら台無しですね…
その通りです。私が捕球面までしっかり型付けを済ませたグローブも出品しているので、新チームのスタートに合わせて道具の不安を解消しておきたい方はチェックしてみてください。
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まとめ
- 声出しの本質は、試合の緊張する場面でも「当たり前」を当たり前にできる環境づくり
- グラウンド上の選手だけでなく、ベンチからの声も立派な一つのプレー
- 相手の傾向などの情報を声にして共有することが、地味だが確実な差を生む
- 一つひとつの小さな声の積み重ねが、最終的に勝利をたぐり寄せるピースになる
声出しは、決して気合いを見せるためだけのものではありません。当たり前のことを当たり前にできる環境を作り、必要な情報を必要な人に届ける。この地道な積み重ねこそが、新チームの一体感とその先の結果につながっていきます。声を出すのが得意でなくても、まずは一つの情報共有から始めてみてください。
新チームが動き出したばかりの今は、まだお互いの声の掛け合いにぎこちなさを感じる時期かもしれません。それでも、レギュラー・控えに関係なく、グラウンドとベンチの垣根を越えて、全員が声を出す文化を早いうちに根づかせておくことができれば、それはこの先の1年を通してチームを支える大きな財産になります。焦らず、今日の練習から一つずつ積み重ねていってください。
よくある質問
Q. 声を出すのが苦手な性格でも、チームに貢献できますか?
A. 大きな声で鼓舞することだけが声出しではありません。相手の傾向を伝える、状況を確認するといった情報共有の声かけからでも、十分にチームに貢献できます。
Q. 新チームで声出しの文化がまだない場合、どこから始めればいいですか?
A. まずは練習中のシートノックなど、プレッシャーの少ない場面から声を出す習慣をつけることをおすすめします。練習で当たり前にできていることが、試合でも自然と出てくるようになります。
Q. ベンチからの声かけは、具体的にどんな内容が効果的ですか?
A. アウトカウントや点差の確認、相手投手・打者の傾向、励ましの言葉など、グラウンド上の選手が見落としがちな情報を補う声かけが効果的です。
Q. 声出しが苦手な選手に、指導者はどう働きかければいいですか?
A. 「大きな声を出せ」と結果だけを求めるより、まずは一言の情報共有から始めさせてあげてください。「これができた」という小さな成功体験の積み重ねが、声を出すことへの抵抗感を減らしてくれます。
Q. リーダーシップを取るために、キャプテンでなくても声を出すべきですか?
A. はい。声出しは役職に関係なく、気づいた選手が率先して行うべきものです。特に内野手は守備位置が近く、声の掛け合いがそのままプレーの質に直結します。
Q. 相手チームの傾向は、どうやって事前に研究すればいいですか?
A. 練習試合や過去の対戦で見た傾向をメモしておく、味方のピッチャーやキャッチャーと事前に配球の方針を共有しておく、といった積み重ねが役立ちます。
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