こんにちは。Baseball Growth LabのSAKURAです。高校野球・大学野球を通じて内野手を専門にプレーし、甲子園出場も経験しました。現在はその経験を活かして、型付け済みグローブの仕入れ・販売にも携わっています。

内野手は、ポジションの特性上、投手に次いで一日の送球数が多くなりやすいポジションです。ノックでも試合でも、際どいタイミングで無理な体勢から投げることが多く、気づかないうちに肩や肘に負担を蓄積させてしまっている選手を、私は数多く見てきました。かくいう私自身も、中学・高校・大学とそれぞれの時期に肘の痛みを経験してきた一人です。今回は「投げすぎを防ぐ」という量の管理の話ではなく、投げ方そのもの、つまりフォームの面から肩肘への負担を減らす視点を、自分の経験も交えて整理してお伝えします。

  • 送球練習の後、肩や肘に張りを感じることがある
  • アイシングなどのケアはしているが、そもそもの投げ方も見直したい
  • 無理な体勢から投げることが多く、フォームが崩れがちだと感じる
  • 子どもの投げ方が肩肘に負担をかけていないか心配な保護者・指導者
野球少年

ノックの後半になると肘のあたりが重だるくなることがあって…アイシングはしてるんですけど、それだけで大丈夫なのか不安です。

SAKURA

ケアも大事ですが、実は投げ方そのものを見直すだけで、負担がぐっと減ることも多いんです。今日は肩肘に優しい送球フォームのポイントをお話ししますね。

結論から言うと、「下半身から体全体を使って腕の負担を分散させること」「肘を下げず、テークバックをコンパクトに保つこと」の2点が、肩肘への負担を減らす最大のポイントです。あわせて、フォーム以外の投球数管理・ウォームアップの習慣も負担軽減には欠かせません。

この記事のポイント

見出し内容
①なぜ内野手の肩肘には負担が集中しやすいのか送球数の多さと、無理な体勢からの送球という特性
②下半身を使って腕への負担を分散する体全体で力を伝えることで、腕だけに頼らないフォームを作る
③肘の高さとテークバックの見直し肘下がり・大きすぎるテークバックが負担を増やす仕組み
④フォーム以外で取り組みたい負担軽減の習慣ウォームアップ・投球数の意識・強化トレーニング

こんな人におすすめ

  • ✅ 送球練習の後、肩や肘に張りを感じることがある選手
  • ✅ ケアはしているが、フォーム自体も見直したい選手
  • ✅ 無理な体勢からの送球が多く、フォームが崩れがちな選手
  • ✅ 投げ方が肩肘に負担をかけていないか心配な保護者・指導者
  • ✅ 長くこのポジションを守り続けたいと考えている選手

ここからは、上の表で挙げた4つのポイントを順番に詳しく解説していきます。

①なぜ内野手の肩肘には負担が集中しやすいのか

投手は一試合の中で投げる球数が管理されることが一般的ですが、内野手の送球数は、ノックや試合を通してカウントされないまま積み重なっていきます。守備練習の一球一球は軽く見えても、その積み重ねは決して小さくありません。さらに内野手は、体勢を十分に整えてから投げられる場面ばかりではなく、体が流れた状態、逆シングルからの体勢、ジャンプしながらの送球など、無理な姿勢から腕を振らなければならない場面が多いポジションでもあります。

こうした無理な体勢からの送球は、下半身や体幹からの力の伝達が十分でないまま、腕の力だけでボールを投げることにつながりやすくなります。私が中学時代に初めて肘の痛みを感じたときは、誰に相談すればいいのかも分からず、自分なりに調整メニューを組んで一人で対処していました。高校時代には、夏休みの猛練習で毎日投げ続けるうちに肘が痛くなったこともあります。それでも当時は「練習を休む」という選択肢が現実的ではなく、痛みの出にくい角度を探りながら、だましだましプレーを続けていました。本来、肘を下げて投げるのは良いフォームではないのですが、当時はとにかく痛みの少ない位置を探すことで精一杯だったのを覚えています。周りにも、肩や肘の痛みを隠しながらプレーを続けていた選手はたくさんいましたし、中にはそのまま体を壊してしまい、野球を続けられなくなってしまった選手もいました。

大学に進んでからは、硬式から軟式へと環境が変わったタイミングで、新たに肩や肘を痛める選手が増えるのも目の当たりにしました。球質の違いに体の使い方がついていかず、無理なフォームのまま投げてしまうケースが多かったように思います。こうした経験を通して私がたどり着いたのは、「上半身の力だけで投げようとするから、負担が一点に積み重なって壊れてしまう」ということでした。もちろん、無理な体勢からの送球そのものをなくすことはできません。実戦では、体勢を整える時間がない場面のほうが多いくらいです。だからこそ、限られた時間の中でもできるだけ体全体を使う意識を持てるかどうかが、負担の大きさを左右します。

②下半身を使って腕への負担を分散する

内野手が送球する場面

肩肘への負担を減らすうえで最も効果が大きいのは、下半身から体幹、そして腕へと力を伝える運動連鎖を意識することです。腕は本来、体全体で作った力をボールに伝える「最後の通り道」であり、力を生み出す場所ではありません。ところが、腕の力だけでボールを飛ばそうとすると、本来体全体で分散されるはずの負荷が、肩や肘の一点に集中してしまいます。

具体的には、捕球後につま先を投げる方向へ向け、軸足から踏み出す足へ体重を移動させることから始めます。この体重移動と腰の回転をしっかり使えると、腕が振られる前の段階ですでに大きな力が生まれているため、腕自体はその力を伝えるだけで済みます。逆に、足が止まったまま上半身だけをひねって投げると、その分の負荷をすべて肩と肘で受け止めることになります。送球フォームの基礎、特に下半身から肘までの運動連鎖の作り方については、以下の記事でさらに詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

内野手の正しい送球フォーム基礎講座|肘の使い方から下半身の連動まで こんにちは。Baseball Growth LabのSAKURAです。高校野球・大学野球を通じて内野手を専門にプレーし、甲子園出場も経...

もう一つ意識したいのが、無理な体勢からの送球でも「足だけは止めない」という習慣です。完全な体重移動ができない場面でも、つま先を投げる方向へ少しでも向ける、軸足で地面を踏ん張るなど、できる範囲で下半身を使う意識を持つだけで、腕への負担は変わってきます。特に野手は、その場から一歩も動けない投手と違って、自由にステップを踏んで助走をつけられる立場にあります。この強みを活かして「上半身だけで投げない、足を使って投げる」ことを意識するようになってから、私自身、肘への負担が明らかに軽くなった実感があります。

③肘の高さとテークバックの見直し

下半身の使い方と同じくらい大切なのが、肘の高さとテークバックの大きさです。肘が肩のラインより下がった状態で投げる、いわゆる「肘下がり」のフォームは、ボールに力が伝わりにくいだけでなく、肩や肘の関節に不自然な負荷をかけてしまいます。肘は肩と同じか、それよりやや高い位置をキープすることを意識してください。

また、テークバックを大きく取りすぎることも、肩肘への負担を増やす要因になります。テークバックが大きいほど、腕を加速させる区間は長くなりますが、その分ブレーキをかける区間も長くなり、関節への負荷が高まりやすくなります。内野手の送球では、コンパクトなテークバックから素早くボールを離すフォームのほうが、負担の面でも実戦のスピード感の面でも理にかなっています。

自分の肘の高さやテークバックの大きさは、意外と自分では気づきにくいものです。練習中の送球をスマートフォンで撮影し、後から正面・横の両方から確認してみることをおすすめします。指導者や保護者に定期的にチェックしてもらえる環境があれば、フォームのクセに早く気づくことができます。

④フォーム以外で取り組みたい負担軽減の習慣

フォームの見直しに加えて、日々の習慣として取り組めることもいくつかあります。一つは、練習前のウォームアップです。肩甲骨や体幹まわりが十分にほぐれていない状態でいきなり全力の送球をすると、体全体を使う前に腕から動いてしまいがちで、フォームも崩れやすくなります。軽い負荷のチューブを使って肩甲骨まわりのインナーマッスルを動かしておくと、体全体を使う感覚をつかみやすくなり、ウォームアップとしても取り入れやすいです。

私自身も、練習前のルーティンにこうしたチューブを使った肩甲骨まわりの動きを取り入れるようにしていました。特別な道具は必要なく、軽い負荷のトレーニングチューブが一本あれば、グラウンドでも自宅でも手軽に取り組めます。

トレーニングチューブを使ったウォームアップ

気になる方は、こちらのようなトレーニングチューブを日々のウォームアップに取り入れてみてください。

もう一つ大切なのが、送球数そのものの管理です。フォームがどれだけ良くても、限度を超えて投げ続ければ、疲労とともにフォームは崩れ、負担は増えていきます。日々の投球数をどう意識すればよいかについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

内野手の投げすぎを防ぐための考え方|送球数管理の基本 こんにちは。Baseball Growth LabのSAKURAです。高校野球・大学野球を通じて内野手を専門にプレーし、甲子園出場も経...

そして、フォームを整え、投球数を管理していても、練習後のケアを怠ってはいけません。アイシングなどの事後ケアと、今回紹介したフォーム面での予防は、どちらか一方で十分というものではなく、両方をセットで意識することで初めて肩肘を長く守ることができます。ケアグッズの選び方は、以下の記事も参考にしてください。

アイシング・肩肘のケアグッズ選び|送球数管理と合わせて取り入れたい習慣 こんにちは。Baseball Growth LabのSAKURAです。高校野球・大学野球を通じて内野手を専門にプレーし、甲子園出場も経...

正直なところ、肩や肘の張り・痛みは、野球というスポーツと切っても切り離せないものだと私は感じています。だからこそ、選手自身の意識だけに任せきりにせず、指導者や保護者の側からも、定期的にノースロー(投げない)の日をあえて設けるなど、意図的に休ませる仕組みを作ってあげることが欠かせません。肩肘を一度壊してしまうと、選手生命そのものに関わる大きな問題になりかねません。「今は痛みを我慢すれば乗り切れる」という考え方だけに頼らせず、周りの大人がしっかりと選手を守ってあげてほしいと思います。

型付け済みグローブを探している方へ

送球フォームの見直しと合わせて意識してほしいのが、グローブから送球への持ち替えのスムーズさです。ポケットが浅すぎたり、革が硬く握り替えに時間がかかったりすると、無意識のうちに焦って無理な体勢から投げてしまい、結果としてフォームが崩れる原因になります。私が仕入れ・型付けをしているグローブも、捕球からの持ち替えがスムーズに行えるよう仕上げています。気になる方はぜひチェックしてみてください。

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まとめ

  • 内野手は送球数が多く、無理な体勢からの送球も多いため、肩肘に負担が集中しやすい
  • 下半身から腕へ力を伝える運動連鎖を意識し、腕だけに負担を集中させない
  • 肘は高い位置をキープし、テークバックはコンパクトに保つ
  • ウォームアップ・投球数管理・練習後のケアをフォーム改善とセットで取り組む
  • 指導者・保護者もノースローの日を設けるなど、選手を意図的に休ませる仕組みを作る

肩肘への負担は、練習後のケアだけで完全に防げるものではありません。日々の送球フォームそのものを見直すことが、長い目で見て一番の予防につながります。今回紹介した下半身の使い方、肘の高さ、テークバックの大きさは、どれも明日からのキャッチボールで意識できることばかりです。無理のない投げ方を身につけて、これから先も長くこのポジションでプレーし続けてもらえたらと思います。

よくある質問(FAQ)

Q. 肘の張りを感じたら、どのタイミングで練習を休むべきですか?

A. 張り程度であれば、その日のうちにアイシングなどでケアし、翌日以降の様子を見ることが多いです。ただし痛みに変わっている場合や、日を追うごとに悪化していく場合は、無理をせず早めに指導者や医療機関に相談してください。

Q. フォームを直している最中でも投げすぎには注意すべきですか?

A. はい。フォーム改善の途中は、意識が分散して疲労のサインに気づきにくくなることもあります。フォームを直している時期こそ、投球数を意識して管理することをおすすめします。

Q. 下半身を使う意識だけで、本当に負担は変わりますか?

A. 大きく変わります。腕だけで投げていた力の何割かを下半身と体幹で分担できるようになるため、同じ強さのボールを投げても腕への負荷は軽くなります。まずは体重移動を意識することから始めてみてください。

Q. 無理な体勢からの送球が多いポジションでも、フォームは改善できますか?

A. できます。体勢を完全には整えられなくても、つま先を投げる方向へ向ける、軸足で踏ん張るなど、できる範囲で下半身を使う意識を持つだけで負担は変わってきます。すべての送球を完璧なフォームにする必要はありません。

Q. ウォームアップはどれくらいの時間をかければいいですか?

A. 決まった正解はありませんが、肩甲骨まわりが軽く動く感覚が出てくるまでを目安にするとよいと思います。時間の長さよりも、体が動きの面で準備できているかどうかを基準にしてください。

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