秋の薄暮(たそがれ)時間帯の練習、ボールを使うのは危険?正しい時間の使い分け
最終更新日: 2026年9月23日
こんにちは。Baseball Growth LabのSAKURAです。高校野球・大学野球を通じて内野手を専門にプレーし、甲子園出場も経験しました。現在はその経験を活かして、型付け済みグローブの仕入れ・販売にも携わっています。
秋が深まるにつれて日没が早まり、練習の後半が薄暗くなってしまうチームも多いのではないでしょうか。「見えにくいけど、時間がもったいないから続けよう」となりがちなこの時間帯ですが、実はボールを使う練習にとって、思っている以上にリスクの大きい時間帯です。今回は、薄暮(たそがれ)時間帯の練習について、安全面を中心にお伝えします。限られた練習時間を大切にしたい気持ちはよく分かりますが、それ以上に選手の安全を優先すべきというのが私の一貫した考えです。
- 日没が早まり、練習の終盤が薄暗くなってしまう
- 暗くなってからも、ノックやキャッチボールを続けてしまっている
- ナイター設備のないグラウンドでの、時間帯ごとの練習の組み立て方に迷う
- 薄暗い中での送球・フライ処理に、少し怖さを感じている
最近、練習の後半になると薄暗くなってきて、ノックの打球が急に見えにくくなるんです。でも時間がもったいなくて、つい続けてしまいます
その「もったいないから続ける」が、実はケガにつながりやすい判断なんです。日没後にボールを使う練習は、基本的に避けるべきだと私は考えています。時間の使い方を一緒に見直してみましょう
結論から言うと、日没後にボールを使う練習をするのは危険です。ナイター設備がしっかり整っていないグラウンドでは、行うべきではありません。ナイター設備が整っている場合でも、内外野の連携・送球・フライの打球はどうしても見えにくいため、避けるべきという考え方です。ボールを使う練習は日中に集中させ、薄暗くなってからは別の練習に切り替えましょう。
この記事のポイント
| 時間帯・条件 | ボールを使う練習 |
|---|---|
| 日中 | ◯ 通常通り行ってよい |
| 薄暮(ナイター設備なし) | × 中止し、基礎練習に切り替える |
| ナイター設備あり | △ 基礎中心。送球・フライ処理は避けるのが望ましい |
| 薄暮に行うべき練習 | ポジション練習の基礎・ウエイト・走り込みなど |
こんな人におすすめ
- ✅ 秋以降、練習時間帯の薄暗さが気になり始めた選手・指導者
- ✅ ナイター設備のないグラウンドで練習しているチーム
- ✅ 薄暗い中での送球・フライ処理に怖さを感じたことがある人
- ✅ 限られた日照時間を、安全に効率よく使いたい人
- ✅ 秋以降の練習メニューの組み立て方を見直したい指導者・保護者

①なぜ日没後のボール練習は危険なのか
日没後、あるいは日没直前の薄暗い時間帯は、白球とその背景のコントラストが急激に低下します。打球が最初に見えていても、途中でふっと見失う瞬間が生まれやすく、捕球のタイミングを誤ったり、顔や体に打球が当たってしまったりするリスクが高まります。これは技術の問題ではなく、単純に「見えていない」ことが原因であるため、経験や上達では解決できません。
特にゴロよりもフライの方が危険度が高いというのが私の実感です。ゴロは地面という基準があるため、多少見えにくくても音や気配で位置を推測しやすいのですが、フライは背景が空という何もない場所を移動するため、コントラストが下がった瞬間に完全に見失いやすくなります。顔の付近まで来て初めて気づく、といった状況は非常に危険です。
ナイター設備がしっかり整っていないグラウンドでは、この時間帯にボールを使う練習をするべきではないというのが私の考えです。「まだ何とか見える」と感じていても、暗くなるスピードは想像以上に早く、一球ごとに視界の状況が変わっていきます。安全に練習を続けられる基準を「見えるか見えないか」という曖昧な感覚に頼るのではなく、「日没したらボールを使う練習は終了する」というルールとして、あらかじめ決めておくことをおすすめします。
特に危険なのは、練習の終盤という時間帯そのものです。体力的にも集中力的にも消耗してきたタイミングと、視界が悪くなるタイミングが重なりやすく、判断力・反応速度がどちらも落ちた状態でプレーすることになります。「疲れてきたし、薄暗くなってきたから、そろそろ危ない」という感覚は、多くの場合、体が発している正しいサインです。無理に続けず、その感覚を尊重してあげてください。
荒れたグラウンドや雨上がりのイレギュラーバウンドへの対応については、こちらの記事でも詳しく解説していますが、薄暗い時間帯はイレギュラーバウンドの見極めそのものが難しくなるため、通常以上に注意が必要です。
②ナイター設備があっても、避けるべきプレーがある

「ナイター設備があるから大丈夫」と思われがちですが、私はそう単純には考えていません。しっかりとした照明設備が整っている球場であっても、内野と外野の連携プレー、特に高く上がったフライの打球や、長い距離の送球は、照明の光と夜空のコントラストの影響で見えにくくなることがあります。フライが照明の光と重なって一瞬見失う「ロストボール」の状態は、プロ野球でも起こりうる現象です。プロの球場ほど照明設計が入念にされている環境でさえ起こりうるのですから、学校の練習環境ではなおさら注意が必要だと考えるべきでしょう。
学校の練習環境にあるナイター設備は、プロの球場ほど照明の数・明るさが十分でないことも多いため、なおさら注意が必要です。ナイター設備があるグラウンドであっても、フライの捕球や長い送球を伴う実戦形式の練習は避け、基礎練習を中心に組み立てることをおすすめします。
特に注意したいのが、複数の光源が入り混じる環境です。ナイター照明に加えて、周辺の街灯や車のライトなどが視界に入ると、目がどこにピントを合わせればいいのか混乱しやすくなります。ボールと照明が重なった瞬間、打球が一瞬「消える」ように見えることもあるため、フライの打ち上げを伴う練習は、たとえ明るい照明の下でも慎重に判断してください。打球への反応スピード・動体視力を鍛えるトレーニングは、明るい時間帯に行うことで効果を発揮しやすくなります。
③薄暗い時間帯にやるべき練習
薄暗くなってきたら、ボールを使う練習から切り替えて、次のような練習に時間を充てるのがおすすめです。「暗くなったから練習終わり」と考えるのではなく、「暗くなったから別の練習に移る」と考えることで、限られた時間をより有効に使えます。
- ポジション練習の基礎(フットワーク):打球を使わない、footwork(足運び)だけの確認・反復練習
- ウエイトトレーニング:体幹・下半身の補強など、ボールを使わないメニュー
- 走り込み:ダッシュ・持久走など、ボールを目で追う必要のない練習
こうした練習は、薄暗さがパフォーマンスに影響しにくく、むしろ日中にボールを使った実戦練習を目一杯行った後の「仕上げ」として理にかなっています。フットワークの反復は、実際にボールを使わなくても、打球方向への一歩目や体重移動の感覚を磨くには十分効果的です。暗い中だからこそ、目でボールを追う情報に頼らず、自分の体の動きそのものに意識を集中できるというメリットもあります。体力面の強化については、こちらの記事も参考にしてください。
時間帯によって練習メニューを組み替えるという発想を持つことで、限られた日照時間を無駄にせず、かつ安全に練習量を確保できます。「暗くなったら終わり」ではなく、「暗くなったらメニューを変える」と考えると、練習全体の効率も落ちにくくなります。
④ロングティーなど、飛球を伴う練習は早めに切り上げる
特に注意したいのが、ロングティーのように遠くまでボールを飛ばす練習です。打球が高く長く飛ぶ分、視界に入る時間も長くなり、薄暮の時間帯では見失うリスクがさらに高まります。打った本人だけでなく、周囲で球拾いをしている選手にも危険が及ぶため、ロングティーなど飛球を伴う練習は、他の練習よりも早めのタイミングで切り上げることを意識してください。球拾いをしている選手は打つ選手以上に打球への意識が薄れがちなため、実は一番リスクにさらされやすい立場でもあります。
目安としては、「まだノックはできそうだが、ロングティーは危ない」と感じるタイミングで、まずロングティーから中止し、その後ノックなど他のボール練習も順次切り上げていくのがおすすめです。すべてを一律に「暗くなったら終了」とするのではなく、打球の高さ・飛距離が大きい練習から優先して中止していく、という段階的な判断が安全につながります。
優先順位の目安としては、①ロングティー・フリー打撃など遠くに飛ばす練習、②外野へのノック、③内野ノック、④近距離でのキャッチボール、の順に、視界への依存度が高い練習から切り上げていくとイメージしやすいです。近距離のキャッチボールであれば、多少薄暗くても比較的安全に続けやすいため、最後まで残す練習メニューとして活用できます。
⑤チームとしてルールを共有しておく大切さ
薄暮の練習を安全に切り上げるためには、選手個人の判断だけに頼らず、チーム全体でルールを共有しておくことが欠かせません。「まだ大丈夫です」と言う選手が出てくるのは自然なことですし、負けず嫌いな選手ほど、多少の見えにくさを我慢してでも練習を続けようとしがちです。だからこそ、個人の意思とは切り離した、チーム共通のルールとして時間の区切りを決めておくことが大切です。
- その日の日没時刻を事前に確認し、練習メニューの終了時刻を逆算しておく
- 「〇時からはボールを使う練習をしない」など、具体的な時刻でルール化する
- 指導者・上級生が率先して声をかけ、切り替えのタイミングを明確にする
- 保護者が送迎などで関わる場合も、練習終了時刻の目安を共有しておく
特に新チームになったばかりの時期は、練習メニューやルールが固まりきっていないことも多いものです。秋のこのタイミングで、時間帯ごとの練習ルールを一度チームで話し合っておくと、冬に向けてさらに日照時間が短くなっていく中でも、迷わず安全な練習を続けられます。ルールは一度決めたら終わりではなく、実際に運用してみて「もう少し早めた方がいい」「この練習は意外と暗くても続けられる」といった気づきをもとに、シーズンを通して調整していくものだと考えておくとよいでしょう。
型付け済みグローブを探している方へ
安全な練習時間の使い方とあわせて、日中の限られた練習時間を最大限に活かすためにも、自分に合ったグラブを使うことは大切です。「型付け済みの状態のグラブを手に入れたい」という方には、私たちが仕入れ・型付けまで行ったグラブの販売もおすすめです。
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まとめ
- ナイター設備が整っていないグラウンドでは、日没後にボールを使う練習をしてはいけない
- ナイター設備があっても、フライ処理や長い送球など、連携を伴うプレーは見えにくく避けるべき
- 薄暗くなったら、ポジション練習の基礎・ウエイト・走り込みなどに切り替える
- ロングティーなど飛球を伴う練習は、他の練習より早めに切り上げる
- 個人の判断に頼らず、チーム共通のルールとして時間の区切りを決めておく
秋以降、日照時間との戦いは多くのチームにとって悩みの種です。だからこそ、「見えにくいけど何とかなる」ではなく、時間帯に応じて練習内容を切り替える判断力が、選手の安全を守るうえで欠かせません。ぜひチーム全体でこの考え方を共有してみてください。私自身、限られた練習時間の中で結果を出したいという焦りはよく分かりますが、ケガをしてしまっては元も子もありません。安全に練習を積み重ねることこそが、遠回りに見えて一番の近道だと感じています。
よくある質問
Q. 「まだ見える」と選手が言っている場合はどう判断すればいいですか?
A. 選手本人の感覚だけに頼らず、指導者・保護者が客観的に空の明るさや時刻を基準に判断することをおすすめします。「日没時刻を過ぎたらボール練習は終了」など、あらかじめ明確なルールを決めておくと、現場での判断のブレを防げます。負けず嫌いな選手ほど「まだ大丈夫」と言いがちなので、本人の申告よりもルールを優先する姿勢が大切です。
Q. 素振りやシャドーピッチングなど、ボールを使わない練習も控えるべきですか?
A. ボールを使わない練習であれば、薄暗い時間帯でも比較的安全に行えます。周囲の視界(他の選手や障害物)には注意しつつ、素振りやフットワーク、フォーム確認などのメニューに活用するとよいでしょう。動きを大きく伴う練習では、周囲との距離を普段より広めに取ることも意識してください。
Q. 自主練で1人の場合も、同じ考え方でいいですか?
A. 1人での自主練習は、周囲に見てくれる人がいない分、むしろより慎重な判断が必要です。壁当てなど、打球の飛距離や高さが限定される練習に切り替える、明るいうちに切り上げるなど、安全を最優先に考えてください。万が一のケガがあっても誰にも気づかれにくいという点も、1人での練習ならではのリスクとして意識しておきましょう。
Q. 少年野球でも同じように考えるべきですか?
A. はい。年齢が低い選手ほど、とっさの危険回避が難しい場合もあるため、より早めの時間帯で練習を切り上げる判断が大切です。保護者・指導者が積極的に声をかけて、時間の管理をサポートしてあげてください。子ども自身が「危ない」と気づく前に、大人が先回りして判断してあげることが特に重要です。
Q. 冬に向けて、日没時刻はどのくらい早まりますか?
A. 地域や時期によって差はありますが、秋から冬にかけて日没時刻は大きく早まっていきます。練習開始時刻やメニューの組み方を、月ごとに見直すくらいの意識を持っておくと安心です。日没時刻はインターネットで簡単に調べられるので、月初めに確認する習慣をつけるのもおすすめです。
Q. 曇りの日は、晴れの日より早めに練習を切り上げるべきですか?
A. その通りです。曇りの日は日没前でも空全体の明るさが不足しやすく、晴れの日と同じ時刻感覚で練習を続けると、想定より早く視界が悪くなっていることがあります。空の様子を見ながら、いつもより早めの切り上げを意識してください。時刻だけでなく、その日の天候も合わせて判断材料にする習慣をつけましょう。
Q. すでに薄暗い中で練習してしまっていた場合、今から改善すべきですか?
A. はい。「これまで大きな事故がなかったから大丈夫」と考えるのではなく、リスクが存在すること自体に早めに気づき、改善することが大切です。今回紹介したルールを、ぜひ今日からのチーム運営に取り入れてみてください。小さな改善の積み重ねが、選手たちの安全につながります。
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